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駐車場会社と契約する前に知るべき7つのノウハウまとめ

2023.03.31

ライター:横山 篤司

駐車場経営は、経営が安定している、満車だから儲かっている、と思っていませんか?

 

駐車場経営は、たとえば「駅から近ければ収入が高い」とか、「満車になると儲かる」というような単純なビジネスではありません。

 

私は現在、3社の駐車場会社と契約しています。

また駐車場経営は20年以上続けています。

 

この経験から言えることは、駐車場会社との契約内容をしっかり理解し、努力をして利益を少しずつ増やしていくことが大切だということです。

 

そこで今回は駐車場契約をする前に抑えておくべきポイントを紹介します。

 

1. 駐車場経営の成否は見積にはじまる

まず気になるのが駐車場の「賃料」ですね。

つまり、駐車場経営をすることで「いくらの儲けが見込めるか?」ということです。

 

実は、駐車場経営では、どのように駐車料金が決まるのか?を知っているかどうかで、その後の交渉が大きく異なります。

 

1-1. 駐車料金を決める3つの視点

まず、駐車場会社は、主に以下の3つの視点から駐車料金を導き出します。

・近隣の駐車料金相場
・道路からの視認性
・周辺施設の貸し駐車場の需要

その調査範囲は、対象地から最低半径300m~最長1km以上に渡って広範囲に調べる場合もあります。

駐車場経営のための周辺調査の地図

実は、この駐車料金は、道路ひとつ挟むだけで金額が変わります

 

駐車場経営は、調査を行う営業マンの知識や経験によってその後の収入が左右されがちであり、道路ひとつ挟んだだけで駐車場収入が倍になることが実際にあります。

ですから駐車場経営が成功するか失敗するか、どれだけ多くの利益を得られるかは、この「見積もり段階」のときに決まります。

 

だからこそ、多くの営業マンの話を聞き、腕利きの人を選び分けていくことが必要ですね。

 

そこで、駐車場会社と契約するうえで、見積を依頼をするときに必ず確認するべきことや、契約時に駐車場会社の営業マンへ相談するべきことをお伝えします。

 

駐車場の精算機と看板

2. 駐車場タイプと駐車場会社の選択

駐車場の経営をはじめるにあたっては、駐車場を「自分で運用する」、あるいは「駐車場会社に任せる」といったさまざまな選択肢があります。

 

たとえば、3台を月極にし、6台をコインパーキングにします。

そこで、集金業務や警備などの管理や保守については、駐車場会社から見積もりをもらい、話し合いや交渉の中で決めていくことになります。

 

結論からお伝えすると、駐車場経営で成功するために、選択すべきことは主に7つあります。

 

2-1. 月極駐車場か時間貸し駐車場を選択する

見積もりを取る際は、「月極駐車場」あるいは「時間貸し駐車場」のどちらがよいかを相談しましょう。

次のような違いがあります。

月極駐車場月単位で駐車場を貸すことです。近隣に会社の営業所や工場などがあれば一定数の利用者を見込むことができます。

時間貸し駐車場(コインパーキング)時間単位で駐車場を貸すことです。近隣に駅や店舗などがあれば一定数の利用者を見込むことができます。

 

ポイントは、近隣にどういった施設があるかによって決めるとよいでしょう。

実際のケースでは、月極駐車場からコインパーキングに変更したところ、売上が倍以上に変わったこともあります。

 

2-2. 駐車場会社を選択する

駐車場経営でより多くの収入を得るためには、どの駐車場会社と契約をするか?を比較する事が大切です。

 

駐車場収入は「駐車場台数 × 料金設定 × 稼働率」で決まります。

 

駐車場会社の見積もりでは、強気な料金設定だが初期費用が必要となったり、駐車場会社の知名度が高いため稼働率が高く見込めるなど条件はさまざまです。

そのため、近隣の駐車場を徹底的に調査して、もっとも高い駐車場収入が得られる駐車場会社と「契約条件の組み合わせ」を妥協せず追求しましょう。

 

つまり、駐車場収入の「総額」だけで判断するのは早計です。

 

そこで、以下の3つを必ず見て比較しましょう。

駐車場会社との契約時に注意するべき点

・初期投資の額と月々の管理料

・賃料および賃貸借条件

・契約条件や違約金条件(中途解約や違約金、契約終了時の条件など)

 

オーナー(あなた)と駐車場会社の間でどのように費用負担を配分するのか、中途解約等の条件面で見ると他の駐車場会社の方がよい場合もあります。

 

2-3. 初期投資の額と月々の管理料を選択する

駐車場会社と駐車場を始める上での初期投資および保守・管理を委託するときは、主に次の4つの方式から選択します。

初期投資及び月々の管理料

(1)借上げ方式

借上げ方式とは、駐車場会社が土地を借上げして、駐車場運営を委託することです。

(2) 販売方式

販売方式とは、オーナーが駐車場機器を購入して運営をし、駐車場会社に管理・保守を委託することです。

(3)保守委託方式

保守委託方式とは、機器を駐車場会社が持ち込みしてオーナーが運営し、を駐車場会社に管理・保守委託することです。

(4)共同運営方式

共同運営方式とは、オーナーが駐車場機器を購入し、費用負担と売上分配の割合を、駐車場会社と相談の上で決めていくことです。

(5)自主運営方式(説明省略)

「自主運営方式」とは、オーナーが自分で駐車場機器を購入して自分で管理・保守をします。

 

図にするとこのようになります。

駐車場の運営の方式の一覧

 

それぞれの特徴を比較すると次のようになります。

駐車場経営の方式まとめた表

どの方式がよいかは、初期投資の予算や、駐車場運営への委託方法によって変わります。

注意点は「借り上げ」であるのに初期投資がかかる場合です。

駐車場会社と契約するときに多額の費用がかかったり、契約内容に疑問がある場合は、どんなに賃料が高いとはいえ一度専門家に相談しましょう。

 

2-4. 賃料及び賃貸借契約の条件を選択する

駐車場会社に見積もりを依頼すると、通常は2~3週間程度で賃料相場を調べていただけます。

そして、次のように駐車台数、月額賃料、その他の条件を提案します。

賃料及び賃貸借契約の条件

駐車台数  〇〇台

月額賃料〇〇〇〇円(税別)、1台あたり〇〇〇円(税別)

(ただし、オープン日より3カ月間は月額〇〇〇〇円(税別)でお願いします。

※見積有効期限 見積提出から1カ月

 

たとえば「借上げ方式」であれば月額いくらをオーナーに支払うという提案を受けます。「一定期間は月額賃料の半額を支払う」、あるいは「工事期間中はフリーレントとする」等の条件がついていることが一般的です。

 

正直な話、これらの契約の条件は交渉次第でかなり駐車場収入が変わります。

 

駐車場経営がはじめての方や、知識やノウハウが少ない場合は、駐車場会社にとってかなり有利な条件で決まってしまうことが多いように思います。

 

2-5. 中途解約の条件や違約金を選択する

続いて契約案件です。

見積もりには、必ず次のような文言が含まれています。

中途解約の条件および違約金

オーナーから  3カ月前に書面により告知をお願いします。

駐車場会社から 3カ月前に書面により告知を致します。

※2カ月前予告の場合は賃料1カ月分、1カ月前予告の場合は賃料2カ月分の違約金

 

中途解約は3カ月前に書面で告知することが一般的です。

一般的に考えますと、時間貸し駐車場(コインパーキング)の場合はすぐにやめることは可能ですが、月極駐車場の場合は駐車場利用者に一定期間の退去猶予がなければ、すぐにやめる(オーナーへ土地を返還する)ことが難しいことは容易に想像できます。これが思わぬトラブルになるときもありますので、解約条件をしっかり確認しておきましょう。

 

また違約金についても駐車場会社によって条件が異なります。

違約金について

ご契約日より5年未満の解約(お客様都合)の場合は、残契約期間に〇〇〇〇円(税別)を乗じた金額を申し受けます。

 

違約金は3年~5年未満の解約の場合に違約金が発生することが多いです。

違約金の設定については、月額賃料の3カ月分程度から残存期間×〇〇円といったものがあります。

 

2-6. 契約終了時の項目

 契約終了時には、原状回復の規定が問題になる場合が多いです。次のように書かれています。

原状回復について

契約終了時には10日以内に駐車場に設置した設備及び看板類を撤去してオーナーへ明け渡しを致します。但し、撤去期間中の賃料は無償とさせて頂きます。また、駐車場内のアスファルト、フェンス、白黄ラインは現状有姿のままとさせて頂きます。

 

原状回復規定は、初期契約時にしっかりと話し合いをしておく必要があります。

たとえば、駐車場会社との交渉で、オーナーが自費でアスファルト舗装をした場合は、駐車場会社に原状回復費用を取ることができます。

 

また、オーナー側で初期投資を出した場合には、交渉によって借上げ賃料を増額することもできます。

ここでは根気強く、根拠をもって賃料交渉に取り組みましょう。

 

トラブルの事例としては、原状回復の状態が問題になることが多いため、

・当初の原状を証明できるように写真を撮る
・原状の状態について理解をしておく

とよいでしょう。

これらの確認を怠ると、契約終了時に思わぬ費用が発生してしまうこともあるでしょう。

 

2-7. その他

これら以外にも、契約書の備考には次のように付記されている項目があります。

備考について

トラブル・事故については駐車場会社にて対応、処理します。

場内に駐車機器のほか、飲料用自販機等を設置致します。

カーシェアリング事業の運営、販促、広告媒体などの設置の可能性があります。

地上権、営業権等の発生は一切ございません。

 

これらも、駐車場経営の成否を左右するものです。

 

3. まとめ:駐車場契約の定期的な見直しを

私自身、現在3社の駐車場会社と契約して駐車場経営をしています。

たとえば私の駐車場の1例です。

駐車場9台で月40万円収入、初期投資400万円のコインパーキング導入事例

最初は業界の先輩からノウハウを教わり、契約時において駐車場会社と念入りに打ち合わせを行った上で契約をしました。

 

駐車場経営では、初期投資をするかどうかで借上げ賃料が変わるだけでなく、運営開始後でも駐車場経営が順調であれば、契約条件次第で賃料を上げる交渉も可能です。

 

つまり、駐車場経営は2~3年に一度、賃料と条件の見直しを行うことが大切です。

そこで私がお伝えできるアドバイスとしては、オーナー(あなた)自身も駐車場の経営状況を把握し、売上状況が悪ければ駐車場の料金を見直すなどするとよいでしょう。結果、オーナー(あなた)と駐車場会社とが信頼関係をしっかり結ぶことで、一時的に経営が厳しい状況であっても経営を続けることができます。

私が実際に行っていることとしては、

・駐車場会社と信頼関係を構築して、収益状況を常に確認する

・売上状況を確認し、看板の位置を変えたり、駐車料金を定期的に見直す

・駐車チケットなどを近隣の店舗などに配って認知度をあげていく

これだけで毎月の収入があがっていきます

ぜひみなさまも駐車場経営に挑戦してください。私も微力ながらサポートします。

 

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第2章 未経験からの駐車場経営で月収50万円を達成するまでの事例
第3章 空き家を駐車場に変えてマイナスから月収30万円になった事例

第4章 月極から時間貸しに変更して月収45万円から80万円になった事例
第5章 さいごに
編集:不動産オーナー経営学院

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ライター紹介

横山 篤司地主学第一識者/不動産オーナー経営学院代表/執筆者・ライター

地主学第一識者/不動産オーナー経営学院代表/執筆者・ライター/NewYork留学、外資系投資銀行、不動産経験20年/不動産経営を分かりやすく教える事を大切にしてます。これまで日本で10,000人以上のオーナーと話し、不動産学として事例や成功体験を研究。創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。自らも実業家として宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。プロの不動産投資を学び、家業再生にも力を入れ、借金を数年で完済することに成功。現在はビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。

中小企業庁主催「事業承継セミナー2017」モデル企業登壇/JFMA「不動産MBA」研究員/週刊ビル経営「建替え経営学」連載/全国賃貸住宅新聞/月刊不動産流通(宅建協会)ほか。

横山 篤司

不動産オーナー経営学院リーブス REIBS|不動産を所有してから学ぶ、不動産オーナーのための経営学院|基礎から学び、成果に結び付けるカリキュラム|2013年創業

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