Q1. ビルやマンションを複数所有しています。空室も多く、管理に不満があるために管理会社を変えようと考えているのですが、賃貸管理におけるポイントはあるのでしょうか?

学長「私もビルやマンションなどの不動産を所有し、複数の管理会社に物件管理を依頼しています。管理会社の良し悪しは人間関係の一言では解決できませんし、現場の管理人の能力やモチベーションの維持管理を考えると、自主管理も限界があります。よって私たち不動産オーナーの感情だけで経営判断するのは心配も尽きないでしょう。

ですから、大切なことは、より論理的に管理とは何かを考える必要があるでしょう。

プロの不動産ファンドでは、不動産管理は「清掃・警備・設備メンテナンス」の3つの業務区分に分かれ、その業務を「日常あるいは定期巡回を行う」のが一般的な管理契約であると考えています。

今回は、徹底的に費用について考えていきましょう。」

 

不動産オーナー経営学院では、不動産経営における費用削減の中で、「7つのキーワード」を紹介します。一般的に、不動産の費用を下げるうえで、「管理費」にのみ着目しがちですが、実は費用を下げるポイントは管理費だけではありません。また年間を通じて電気代や清掃代を下げるのは難しいため、管理仕様の変更も考えていきます。

例えば、古くなった建物に対して無理やり新築並みのリフォーム工事を行ったとしても、その先何年続くか分からない賃貸収入に対する投資回収ができない恐れがあります。

ですので、リフォーム会社に対して、何でも修理(原状回復)するのではなく、不動産オーナーの方から「次の入居者のニーズに合わせたポイントリフォームを指示すること」が不可欠です。(必ずプロと一緒に相談して考えてみてください)

(例:古い電子コンロを取り換えるよりも古いコンロの上に新しいコンロを載せてしまう)

また、管理費の定期的な費用を下げる際に、カーペット敷きや畳からフローリングにして清掃費を下げる、乾球交換の際にLED電球に変えて乾球交換代を下げる、管理巡回の日数を減らすなど、管理費を下げる上で具体的な選択肢を見つけていきます。何となく管理費用を下げたいと思うだけでは管理会社を困らせる結果となります。

 

今日のおさらい 費用を下げる7つのキーワード(REIBS基礎編第一章)

①「 予防的なメンテナンス」を早めに実施する。

  =「緊急事態によるメンテナンス」を防ぐ。

 退室時の原状回復費用に対して賃貸借契約書を工夫し、借主負担を増やす。

 リフォーム時の施工単価を下げる

 共用部分の電気代(LED 電球の使用など)を下げる

 日常清掃のコストを下げる

 設備の法定点検費用(安全性を犠牲にしてはいけない)を下げる

 保険料や事務経費や税金を下げる

 

学長「よく不動産オーナーからよい管理会社を紹介してくださいと頼まれることがあります。その際に必ず聞いているのが、あなた(不動産オーナー)はどれだけ不動産のことを知っているのかをお尋ねします。

管理会社は優秀であればあるほど難しい課題にも対応できますが、不動産オーナーの優秀さ(誠実さ、知識、判断)を求めてくるでしょう。つまり時間単位で働く管理会社や仲介会社にしてみれば、成果の出しやすい不動産オーナーと組む方がメリットあるからです。

ですから、まずは不動産オーナーとしての勉強をすることです。また、物件の規模や、用途によって管理会社にも得意不得意がありますので、適切な管理会社を選ぶ際は、適材適所とは何かを勉強頂ければと思います。」

 

週刊ビル経営 平成27年10月28日号掲載