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横山学長の思想とビジョン第1回

 2020/01/24 Pickup講義
この記事は約 6 分で読めます。 293 Views

不動産オーナー経営学院の学長、横山篤司です。

なぜ、不動産オーナー経営学院(REIBS、通称リーブス)では森ビルの「六本木ヒルズ」のタウンマネジメントを実例検証しているのか?

今回はこの話をしたいと思います。

私、横山は三代目の不動産オーナーであり、名古屋の地主の家に生まれました。しかしながら、三代目の危機と言われるように、当社も2010年に経営危機を迎えました。老朽化したビルの建て替えや、不良資産の処分、資金枯渇によって苦労している最中、希望を見出したのが、この「六本木ヒルズ」をつくった森ビルのストーリーであった。

六本木ヒルズを作った森稔氏(2012年死去)は大手財閥系出身ではない、いわゆる「地主の息子」であり、その父である森泰吉郎氏(1993年死去)と親子で、わずか50年で「日本一の地主会社」までになった。その過程において、ラフォーレ原宿(1978年)、アークヒルズ(1979年)、愛宕ヒルズ(2001年)、六本木ヒルズ(2003年)、表参道ヒルズ(2006年)、そして虎ノ門ヒルズ(2014年)に至るまで、今でも色褪せないランドマークビルをたくさん作ったが、そのどれもに不動産業として共通することがある。

それが3つのポイントに集約されます。

①家賃が下がりにくいこと

②付加価値があること

③ビルが成長し続けていること

① においては、日本での不動産開発は竣工時をピークとして家賃は下がるという既成概念を打ち壊している。むしろ上昇している。② においては、入居者が建物のイメージとなることが多いのに対して建物自体にブランド力を持っている。③ においては、所有者の努力によって常に新しい入居者やイベントを誘致してさらに有名になっている。

以上のことから、ただの収益を目的とした不動産開発や不動産投資の観点とは違い、「まちづくり」を行っているといえるのです。とはいえ、収益を無視しているわけでなく、建築費を掛けすぎているわけでもないのだ(総工費2700億円、投資回収期間15年)。いうなれば、そんな既成概念や投資回収といった議論を超えた「地主のビジョン」が街を動かしているのである。その結論として、地権者の説得から六本木ヒルズ竣工までに約17年の歳月をかけたというが、開発当初において、森ビルの土地所有権はほとんどなかったといいます。つまり、企画1本(努力、勉強、発想)だけで地権者であり街の意見をまとめあげたのだ。そして、その地権者の約8割が六本木ヒルズ竣工後に戻ってきたことが、成果といえよう。

ここで森ビルの原点も紹介しよう。

<森ビルの原点と解説>

1955年8月   森不動産(当時)創業、創業者は森秦吉郎氏

1956年4月   西新橋第2森ビル(4階建て)竣工

1957年11月  西新橋第1森ビル(10階建て)竣工

1959年7月   第3森ビル竣工

第二森ビル(第一森ビルの方が後に建っているのは、第一森ビルへ本社移転したから)

森家の生業は東京・芝の田村町(現在の港区西新橋)で営む米穀店であった。1993年に創業者である森泰吉郎が死去したのち、次男森稔が森ビル、三男の森章が現在の森トラストを承継した。

森稔は、信奉するル・コルビュジエの思想に基づいて、衣・食・住・文化を一まとめとした職住近接型の総合的な街作りを行っている。そのビジョンとして、発想を絵にしていることが有名である。元々、学生時代には小説家になることを志していたが、大学時代に自宅の米穀店を4階建ての賃貸ビルに建て替えるにあたっての工事管理や入居者探しを任され、これが後のビル経営の原点となった。

(私が2013年に実際に見たときの感動は今も色あせない)

ちなみに、私、横山は学生時代より漫画家になることを志していた。CimCity(シムシティ)というゲームが大好きで、一晩中やっていたことから「街づくり」が大好きになりました。私は、日本の地方都市が今後コンパクトシティ化していく中で、同様の都市再編成による「流動人口の最大化」と、その周囲にその土地の文化・歴史・観光スポットを広げていく「流動人口の集中化」が、次の不動産の価値を決める要因になると考えています。

 

また、森ビルは、密集している低層建築物を高層ビル化と地中化により垂直に集積させ、緑地面積と公開空地を確保する再開発手法をとっている。このようにして生み出した都市を「垂直庭園都市(バーティカルガーデンシティ)」と呼称している。この研究の結果として、有名なのが、六本木ヒルズのオフィスタワーの一部屋を使った東京都のミニチュア模型を置いていることである。ニューヨークと比較し、都市の脆弱性や課題点が一目でわかるようにしている。

 

私、横山は、10年後、20年後の日本の地方都市においては都心回帰、地方衰退が進むことを予測し、必ずしも高層化(容積率最大化による開発)が望ましいと考えていません。つまり、低層と高層の融合による都市の再編成と人々の誘導が重要だと考えている。

こちらは私が2017年に建てた容積率未消化であるが、低層、高層が入り混じることを許容した駅前再開発の一例である。

さいごに、私が現在、日本全国で都市再開発を行ううえでぜひ取り入れてほしい発想を紹介します。

ジェイン・ジェイコブズ(Jane Jacobs、中村達也訳)の「発展する地域・衰退する地域」において、以下の解説を参照とする。

※都市の街路や地区で,溢れんばかりの多様性を生成するためには4つの条件が必要不可欠である。

  1. 地区,そして,地区内部の可能な限り多くの場所において,主要な用途が2つ以上,望ましくは3つ以上存在しなければならない。そして,人々が異なる時間帯に外に出たり,異なる目的である場所にとどまったりすると同時に,人々が多くの施設を共通に利用できることを保証していなければならない。
  2. 街区のほとんどが,短くなければならない。つまり,街路が頻繁に利用され,角を曲がる機会が頻繁に生じていなければならない。
  3. 地区は,年代や状態の異なる様々な建物が混ざり合っていなければならない。古い建物が適切な割合で存在することで,建物がもたらす経済的な収益が多様でなければならない。この混ざり合いは,非常にきめ細かくなされていなければならない。
  4. 目的がなんであるにせよ,人々が十分に高密度に集積していなければならない。これには,居住のために人々が高密度に集積していることも含まれる。

 

私は、この思想を基にして、日本の都市再生と、未来の不動産の姿を思い描いている。そして、オーナー一人一人に寄り添いながら、ヒト、モノ、カネの永続的な発展を思い描いているのです。

2020年1月25日

不動産オーナー経営学院

代表理事 学長 横山篤司

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ライター紹介 ライター一覧

横山 篤司

横山 篤司

名古屋生まれ。ニックネームは「ANDY」、フォーダム大学大学院国際ビジネス学科卒(NY)
一般社団法人不動産オーナー経営学院 代表理事
https://note.com/andyyokoyama/n/n1921a78b99cd
プロフィールはこちらのサイトをご覧ください。不動産のことを分かりやすく伝えていくのが仕事です。2014年に日本の不動産オーナーのための学校を設立し、これまでに全国の地主と10,000人以上会う。日本で唯一にしてNo.1の不動産ビジネススクール「REIBS」では、成果実例やノウハウを限定公開しています。いろいろとチェックしてみてくださいね!

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