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マイソク作成の基本8つのポイントと配布方法について

2023.03.21

ライター:横山 篤司

「マイソク」とは、不動産会社から提供される物件資料のことです。主に図面、物件概要、不動産会社情報の3つの基本情報からなります。ここではマイソクを実際に使ううえで作成の基本8つのポイントと配布方法について紹介します。

 

たとえば、

自作したマイソクのデザインって本当によいのだろうか?

業者さんの問い合わせや反響がなぜ低いのだろうか?

アピールポイントを上手く伝えられないのはなぜ?

そんな悩みを持つ大家さん、管理会社さん、プロの皆さんも多いのではないでしょうか?今回はマイソクの失敗事例を通じて、基本のポイントや配布方法を整理して紹介します。

 

>>マイソク作成の基本8つのポイントと配布方法について

>>マイソクのテンプレート(PowerPoint版)ダウンロード

 

またこちらもご覧ください。

>>マイソクを配るときに役に立つ15の入居者向けキャンペーンの事例集

 

1. 実際にあったマイソクの失敗事例

1-1. 実例①情報量が多すぎる

たとえば、マイソクで実際にあった事例①です。悪いマイソク図面のサンプル

 

この物件の大家さんは新築アパートを建てたが1年以上空室が続き、家賃の値下げをしても入居者が決まらず、2年以上悩み続けているという状況でした。

 

そこで私は「業者さんが作成したマイソクって見たことありました?」と尋ねました。

大家さんは「マイソクって何ですか?」との回答でした。

後日、大家さんが業者から取り寄せた資料が、このマイソクでした。

 

本音を言いますと、業者でもマイソクの作り方や配布方法をくわしく知る人は少ないのが現実です。

 

この大家さんは不動産オーナー経営学院の受講生の1人でもあり、20年以上賃貸経営をした経験ある方でしたが、業者さんを信用していたので、正直言い辛かったそうでした。

不動産オーナー経営学院では、大家さんへのアンケート調査を通じて、100件以上のマイソクのサンプルを調べた結果、そもそも物件の良し悪しよりも、チラシの内容が正確でなかった、情報が過不足していた、基本のデザインが間違っていた、という形で物件資料の内容が伝わりにくい可能性があることが分かりました。

 

1-2. 実例②マイソクにデザイン料を払う必要ない?

マイソクにデザイン性は必要ありません。

 

ルールは特にありませんが、逆に「マイソク作成でやってはならないこと」があります。

たとえば、マイソクが縦印刷、カラーデザインが凝っている、写真が加工されて嘘っぽいことです。

 

なぜならば、このマイソクを見て仲介の担当者が入居者をご案内した際に、あまりにマイソクと違っている情報ばかりですと恥をかくからです。またマイソク作成時の注意点を挙げるとすれば、白黒印刷、FAX仕様でも耐えられる文字の大きさにしましょう。

マイソクの文字ボケ
 
実際にあった事例として、インクが染み出てしまっていたり、文字が小さくて読めないといった課題がありました。
 
 

また無料テンプレートはこちらからダウンロードできます。

マイソクのデザインは自作する?業者に依頼すべき?無料テンプレートのダウンロード

 

1-3. マイソクでは不動産の専門用語は控えよう

マイソクは、仲介の担当者を通じて入居者にお部屋を紹介するツールです。

仲介の担当者は不動産の業界経験が少ない方も多くいます。

 

ですから、なるべく誰にでも分かるようなレイアウトや用語を使うことで、誰にでも分かるような資料作りを心掛けましょう。

たとえば、設備の性能評価や製品番号を書いたり、インターネットはこちら、といったような複雑なご案内は極力控えるべきです。

なぜならば1枚のマイソクで意図や内容が伝わらないと、仲介の担当者も、その物件を紹介しようという気がなくなってしまうからです。

また以下の事例では、「客付会社様?という敬称表記」や、「借主100%客付100%という手数料の表記」が少しわかりにくいですね。また「情報公開日にAD100」という、誤記もありました。

マイソクのADや仲介料とは?

笑い話ではなく、何十年と管理をしている業者さんでさえも、誤字脱字、ミス、専門用語がたくさん使われていたりしますので、しっかり丁寧に作成するとよいでしょう。

 

2. マイソク作成の基本8つのポイント

マイソクの説明と図面

「マイソク」とは、不動産会社から提供される物件資料のことです。主に図面、物件概要、作成した不動産会社の情報の3つの基本情報からなります。

①図面
②物件概要
③情報提供する不動産会社情報

といった情報を、いつ、だれに、どのように配布すればよいのかを紹介します。

 

定型文では、1部屋1枚を原則として、

・横書き(A4)
・左上に物件名と用途(マンション、ビル、店舗)を記載
・家賃表示は大きく
・USP(ユニークセールスポイント)は中央上に
・キャンペーンは目立つように(期間限定、売り文句)
・左下に物件写真
・部屋の間取り(各部屋の畳数を記載)
・元付と客付で報酬が何ヵ月分かを記載

という上記のルールに沿って作成すると仲介会社の目に留まりやすくなります。

実際に業者100人に聞いた「使えるマイソク」は、この「定型文(ルール)」に沿っているものだと言います。

マイソクのサンプルと図面

 

2-1. ①横書き(A4)

マイソクは横書きでA4印刷が基本です。

縦書きであったり、A3印刷用ではいけません。

また白黒印刷でも見やすいような物件写真を選定しましょう。

 

2-2. ②左上に物件名と用途(マンション、ビル、店舗)を記載

左上に物件名と用途を記載しましょう。

この物件が、住居用(マンション)なのか、事務所用(ビル)なのか、店舗用なのか?がとても重要です。

ぱっと業者さんが見たときに分かるようにしておきましょう。

 

2-3. ③家賃表示は大きく

左上に家賃を大きく載せましょう。

業者さんが何万件という物件リストの中からお部屋を紹介する際に、「物件名」と「家賃」は一番最初に思い出すことが多いと言われています。

情報が多すぎると逆に覚えてもらえませんから、物件名と家賃はシンプルかつ大きく表記しましょう。

 

2-4. ④USP(ユニークセールスポイント)は中央上に

物件の売り文句、キャンペーンなどは、資料の中央上に書いて黄色でハイライトしましょう。

ピアノ可やペット可といった条件面の優遇があることを伝えてもよいですし、二人入居可能、サロン利用可能といった利用方法の特徴をUSPで紹介するとよいでしょう。

 

2-5. ⑤キャンペーンは目立つように(期間限定、売り文句)

キャンペーンは期間限定であることを伝えましょう。

キャンペーンは基本的に入居者向けに行うものではありますが、業者向けにも有効です。

たとえば即入居で成約を決めたり、賃料を少し高く交渉してくれた仲介会社にはボーナスを渡すなどの特別待遇も準備しておくとよいでしょう。

2-6. ⑥左下に物件写真

左下に物件写真や地図を載せておき、業者さんがこの物件をすぐ思い出せるようにしましょう。

業者さんがこの物件を思い出す要素の1つとして、建物の外観や、場所であることが多いからです。

 

2-7. ⑦部屋の間取り(各部屋の畳数を記載)

部屋の間取りに「○畳」と付記したり、各部屋の㎡数をつけ足しておくとよいでしょう。

募集用(広告用)図面では、間取りといっても家具や設備などの配置・レイアウトが書かれることが多く、業者さんが業者さんが入居者に説明する資料としては不十分であることがあるからです。

つまり業者さんが知りたい情報が欠けているのです。

そこで業者さんにマイソクを紹介するときに、自分の物件が入居者にはどう見えていて、業者さんはどのように案内しているのかを具体的に聞いていくことで信頼関係も構築することができます。

 

2-8. ⑧元付と客付で報酬が何ヵ月分かを記載

報酬が分かりやすいように、元付(もとづけ)と客付(きゃくづけ)の2種類を書いておきましょう。

元付とは管理会社(建物を管理する業者さん)などのことです。

客付けとは仲介会社(お客さんを紹介する業者さん)などのことです。

このようにマイソクは業者間の情報交換が目的ですので、不必要な情報を書く必要はありません。

 

3. マイソクの配布方法

マイソクSample1

マイソクの配布方法や配布先について紹介していきます。

 

3-1. マイソクは業者向けの資料

マイソクは業者向けの情報資料です。

 

入居者向けに物件情報を紹介するための「不動産チラシ」(広告用、営業用、PR用)とは異なります。

つまり、ポスティングしたり、インターネットに載せたりするような目的(一般消費者向け)の資料であれば、それは「不動産チラシ、不動産広告」のことを指します。

 

マイソクは、大家さんや管理会社が、仲介店の担当者へ「物件の魅力を伝えること」を目的としています。

たとえば賃貸用のマイソクであれば、

「期間限定の入居者向けキャンペーン」を伝えること
「入居候補者を案内する際のアピールポイント」を伝えること
仲介会社に「報酬」を直接伝えること

などです。マイソクの作り方や攻略ノウハウについてはこちらもご覧ください。

マイソク(物件概要)の作り方と攻略ノウハウまとめ

マイソクの見方とZ

4. 筆者のマイソク作成体験

私は10年以上不動産業に携わり、大家業を営んでいます。

しかし、マイソクの基本を理解し、使いこなすには時間がかかりました。

 

そして、マイソクの意義を正確に理解し、マイソクを効率よく活用できるようになるまでには3年以上かかりました。

 

最初は、「自分が作成したマイソクは良いのだろうか」、「業者さんは自分の物件をどう思っているのだろうか?」という大家目線でしか考えることができませんでした。

 

その後、業者さんとの付き合いを深める中で、本当に使いやすいマイソクはシンプルかつ使い勝手が良いものを好むことが分かりました。また業者さんからの入居者案内が少ないのは、マイソクを作り、営業活動をしっかり行っていないからだともわかりました。

このマイソクのテンプレートと作成方法が皆さんのお役に立てれば幸いです。

PDF、JPEGに変換してお使いください。

 

また、「不動産オーナー経営学院リーブス」では、賃料アップと入居率改善のための100のチェックシートや、マイソクを効率的に配布する方法を教えています。まずはホームページをご覧ください。

マイソクテンプレートはこちらをクリック

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ライター紹介

横山 篤司地主学第一識者/不動産オーナー経営学院代表/執筆者・ライター

地主学第一識者/不動産オーナー経営学院代表/執筆者・ライター/NewYork留学、外資系投資銀行、不動産経験20年/不動産経営を分かりやすく教える事を大切にしてます。これまで日本で10,000人以上のオーナーと話し、不動産学として事例や成功体験を研究。創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。自らも実業家として宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。プロの不動産投資を学び、家業再生にも力を入れ、借金を数年で完済することに成功。現在はビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。

中小企業庁主催「事業承継セミナー2017」モデル企業登壇/JFMA「不動産MBA」研究員/週刊ビル経営「建替え経営学」連載/全国賃貸住宅新聞/月刊不動産流通(宅建協会)ほか。

横山 篤司

不動産オーナー経営学院リーブス REIBS|不動産を所有してから学ぶ、不動産オーナーのための経営学院|基礎から学び、成果に結び付けるカリキュラム|2013年創業

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