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ANDYの分かりやすい建替え経営学

第十九回 資産家がみんなやっている資産拡大のススメ

2019.04.17

ライター:横山 篤司

建替えフェーズ③ 建替え時に気を付けたい3つのポイント

あなたの不動産が以下の条件に当てはまる場合は対策を考えていきましょう。

1. 収益の生まれない土地や山林などがたくさんある
⇒相続税を支払う原資をつくる(資産売却×土地活用)

2. 築古物件ばかりをもっている
⇒築古物件を整理する(資産売却×建替え)

③. 大きなアパート、マンション、ビルなどが1棟しかない
⇒不動産を共有にしないこと。(土地活用×資産取得)

建替えの概要

2017年春に名古屋駅前で新ビル竣工。2015年6月に本社ビル解体着手するまでに5年、建替プロジェクト完遂までに足掛け約8年の歳月をかけた上で再建し、父と共に「戦略的不動産経営5カ年計画」を実行した経験則をお伝えします。

現在は全国の中小不動産オーナーの建替えプロジェクト顧問に就き、不動産学校内でプロチームを組成。新築ビルの竣工前満室、本社ビルの財務健全化、トラブルの自力解決など数多くの事例を積み上げる。

○私の経営体験談

私たちの相続争いの始まりは「1棟のビルを3人の後継者で争ったこと」にはじまります。

 

相続においては「資産を平等に分ける」というのが日本の法律です。

 

専門家の間では、資産を平等に分けるために「家族信託」や、「遺言」といった手法が使われます。しかし、そもそも「不動産の共有」という状態は続いています。

 

私の父はこれを「悪平等」とよく言います。

 

一つの不動産を3人が相続した時に、たとえ「収入」が3等分されても、修繕や建替えといった「支出」の判断や、専門家の交代といった「ヒト」の問題に直面します。

 

つまり、経営は3人が仲良く行えるほど甘いものではありません。

たわけ者の語源は「田分け」からくる

たわけ者の語源は「田分け」から来ています

〇ポイント=資産を守るのではなく運用する

そこで、私は3つの方向性を資産家の皆さんに提案しています。

①小さな物件の購入や事業を作る。
②1つの土地を複数に分けておく。
③継ぎやすい資産へ建替える。

まずはその理由をお伝えします。

 

私の経験では、不動産は地域によって「適切な土地の広さ」があります。

 

土地が広すぎると1人のオーナーが所有するには手に余ります。

新たなテナントを見つけるのも大変です。

また、受け継ぐ人にとっては資産の運用が難しいことや、兄弟姉妹で不動産が共有になってしまう課題もうまれます。

 

そこで私がお勧めするのが「大きな建物を建てるよりも小さくたくさん建てる」ことです。

 

たとえば戸建て賃貸や、郊外ロードサイドの店舗など、収益の生まれる不動産を複数に増やしておくことです。

こうすることで将来不動産を切り分けたりすることもできます。

戸建の建物で利回りが高い

まとめ

これは実際に相続争いをしたときの裁判資料です。

親族間で共有物分割請求を5年以上に渡り争った記録の一部です。

私は相続対策を税理士や弁護士にすべてお任せすることをお勧めしません。

彼らは不動産のプロではありません。

法律や税法に則り平等に分割させようとするがゆえに、不動産が共有状態となってしまうからです。

相続争いをしたときの共有権争い

そこで建替えとしてお勧めするのが戸建住宅や事業用戸建です。

1戸あたりの利回りが高い戸建住宅にすることで資産分割がしやすく維持管理のしやすい不動産となります。

 

土地取得からであれば、利回り6%以上をお勧めします。

土地をすでにお持ちの場合(建築から)は、利回り10%以上をお勧めします。

 

低層の建物であれば、建物の維持管理費が安く、エレベーターなどの設備も必要ありません。

結果として不動産管理がしやすくなりますね。

 

 

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ライター紹介

横山 篤司地主学第一識者/不動産オーナー経営学院代表/執筆者・ライター

地主学第一識者/不動産オーナー経営学院代表/執筆者・ライター/NewYork留学、外資系投資銀行、不動産経験20年/不動産経営を分かりやすく教える事を大切にしてます。これまで日本で10,000人以上のオーナーと話し、不動産学として事例や成功体験を研究。創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。自らも実業家として宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。プロの不動産投資を学び、家業再生にも力を入れ、借金を数年で完済することに成功。現在はビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。

中小企業庁主催「事業承継セミナー2017」モデル企業登壇/JFMA「不動産MBA」研究員/週刊ビル経営「建替え経営学」連載/全国賃貸住宅新聞/月刊不動産流通(宅建協会)ほか。

横山 篤司

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