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ANDYの分かりやすい建替え経営学

第六回 立退き裁判に至る確率は3%

2019.04.16

ライター:横山 篤司

<立退きフェーズ 必要経費は現在の年間賃料収入の3年分> 1.立退き実行 立退き戦略立案、立退き料の相場と根拠、立退き計画と立退きの実行者の選定、弁護士報酬、立退き裁判と逸失期間の考え方 2.建物管理 立退き交渉期間中の管理費、立退き期間中の収入減予測、テナント敷金返還準備、立退き後の建物管理 ③.経営管理 立退き料の資金確保と金融機関折衝、立退き経過のレポート体制、立退き期間中の臨時収入確保、経費扱いとなる立退き料の支出根拠

2017年春に名古屋駅前で新ビル竣工。2015年6月に本社ビル解体着手するまでに5年、建替プロジェクト完遂までに足掛け約8年の歳月をかけた上で再建し、父と共に「戦略的不動産経営5カ年計画」を実行した経験則をお伝えします。現在は全国の中小不動産オーナーの建替えプロジェクト顧問に就き、不動産学校内でプロチームを組成。新築ビルの竣工前満室、本社ビルの財務健全化、トラブルの自力解決など数多くの事例を積み上げる。 ○私の経営体験談 立退きにかかる費用は最低でも現在の年間賃料売上の「3年分」を計画しましょう。まずは立退きにかかる主な費用を解説します。 まず一つは「立退き準備費用」です。主に建物解体に向けた管理体制の見直し、入居者等の契約書見直し、立退きを有利に進めるための弁護士相談費用などです。当社では再開発組合を作り、過去の立退き裁判事例の研究や当物件の課題点を精査しました。 次に「立退き実費」です。これは入居者に対して立退き料の提示、交渉、清算完了に至るまでの交渉請負人への費用や立退き料の支払いです。長引けば長引くほど費用が積み上がってしまうため、一度立退き計画を実行に移したら立退き完了まで迅速に遂行せねばなりません。 そして「立退き裁判費用」です。立退き交渉を開始した時点で、裁判になる可能性の高い入居者を見定め、まずは裁判とならないように戦略を駆使します。数カ月経っても入居者から回答がない場合には通告文を準備しておき、すぐに裁判の準備をしましょう。 ○ポイント=数年前から準備すれば立退き費用は3分の1以上に圧縮できる 立退きの経過観察は非常に大切です。当社菱信ビルでは、5年間の立退き経過観察を行った結果、当初見積した立退き想定額の約3分の1程度に収まりました。菱信ビルの入居者100区画のうち、2010年時点では稼働率90%、すべて普通借家契約でした。4年後の2014年の立退き開始時点での普通借家契約が19区画、約7割の定期借家切替えを行いました。そして1年後に立退き裁判へ至ったのは3区画、全体入居区画の約3%でした。その裁判も1年で決着がつき、2015年6月の解体に至りました。 一般的に立退き難易度は住居よりも事務所、事務所よりも店舗の方が高いと言われています。現在、当学院で全国の立退き事例を調査する中で分かったことは、①お金のない入居者、②小さな個人経営店、③経営者が高齢であると難易度が高いということです。とはいえ、立退きは法律解釈よりも経験則に左右されることが事実のため、入居者の感情を逆なでせずに立退きをスムーズに行う事前準備が一番大切です。 不動産オーナー経営学院REIBS(リーブス)概要はこちら  
建替え経営学フェーズ別計画資料まとめ
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ライター紹介

横山 篤司地主学第一識者/不動産オーナー経営学院代表/執筆者・ライター

地主学第一識者/不動産オーナー経営学院代表/執筆者・ライター/NewYork留学、外資系投資銀行、不動産経験20年/不動産経営を分かりやすく教える事を大切にしてます。これまで日本で10,000人以上のオーナーと話し、不動産学として事例や成功体験を研究。創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。自らも実業家として宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。プロの不動産投資を学び、家業再生にも力を入れ、借金を数年で完済することに成功。現在はビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。

中小企業庁主催「事業承継セミナー2017」モデル企業登壇/JFMA「不動産MBA」研究員/週刊ビル経営「建替え経営学」連載/全国賃貸住宅新聞/月刊不動産流通(宅建協会)ほか。

横山 篤司

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