かぼちゃの馬車問題!教えて、源先生!こんな投資はやめておけ!②スルガ銀行融資編
2023.04.10
不正融資で不動産投資を煽った問題を徹底解説。
一部の行員が行ったとされる融資申請時の改ざんや、
エリートサラリーマンが破産に追い込まれるほどハマった理由はなぜか?
2018年に問題となった不動産投資「かぼちゃの馬車問題」を取り上げて、
業者のビジネスモデルや投資家が破産に追い込まれた経緯について追及をしていきます。
こんにちは。
不動産オーナー経営学院でファシリテーターを務めます
高橋周平ことしゅうちゃんです。
前回に引き続き、シェアハウス投資「かぼちゃの馬車」を徹底深堀していきます。
第2回は、かぼちゃの馬車の投資を加速させた銀行融資についてを徹底追及していため、実際にかぼちゃの馬車問題の裏側や真相を知る不動産オーナー経営学院の源先生に教えていただきます!
目次
1. かぼちゃの馬車を加速させたスルガ銀行とは?
前回に引き続き源先生よろしくお願いします。
さて、前回のおさらいとして女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」の末期では、良い土地が手に入らなくなったので新築シェアハウスが建てられず、さらに追い打ちをかけるように入居者への魅力の1つであった、都内のおしゃれなカフェやアパレルの仕事を入居者に紹介してくれた派遣会社とも関係性が途絶えてしまった、というところまでお話を伺いました。
今日はその続きから、よろしくおねがいします。
よろしくお願いします。
前回は入居者が探しが難しくなったというお話をしました。このタイミングで「スルガ問題」という話が並行して出てきます。
1-1. スルガ銀行の不正融資問題
スルガ銀行の不正融資問題とは、静岡県沼津市に本店がある地方銀行の1つのスルガ銀行が一部関係し、不正な融資が行われていたというものです。
その後2000年代にファンドバブル台頭によって、金融機関が再編されていく中で勝ち残った、いわば不動産投資で大成功して全国展開した銀行です。
しかし、ここで不正融資という問題が明るみにでてしまいました。
1-2. 投資家の収入をかさ増し!?
例えば、どのようなことをしていたのでしょうか。
シェアハウスに投資する人の収入をかさ増しするなどですね。
え!銀行がそれをやったんですか!?
いや、銀行が直接やったわけではないとされています。
ただ、協力はしてしまっている、というのは明らかになっています。
具体的にはどのようなことが行われていたのでしょうか。
スマートデイズの担当者によって、購入希望者の給与明細の0が一個足されたりなどですね。
0を一個足してたんですか!?
一桁増えるということですよね!?
そうですね。
他には、所持している通帳の現金を「かさ増し」して書類を作るなどですね。
なるほど、貯金を「かさ増し」することですね。
それによって支払い能力を超えたローンを組ませていたということですね。
そうです。
それらを、銀行側もチェックせずに話を進めて、融資をしていました。
なるほど。
そうなると、銀行は投資家に融資をして利子を回収することビジネスですから、途中で融資の回収困難に陥りそうですけどね。
そうなんです。
そこは銀行の審査基準というものを根底から考え直すきっかけにもなりましたね。
2. かぼちゃの馬車の審査基準とは?
まずは審査基準が気になります。
審査基準は主に3つあります。
まず①借りる人の信用力です。これはいわずもがなです。
次に②物件の信用力です。ここは深堀したいところです。
そして③運営会社の信用力です。
なるほど。
①はエリートサラリーマンが狙われたとして、②と③は疑問ですね。
そうですね、特に③ですね。
そもそもスマートデイズという会社が女性専用シェアハウスを新築で建て、その家賃収入で投資返済ができますというビジネスモデルに対する信用力で人が集まりました。
ですから、投資家は基本的に何もしなくてよいという不労所得のビジネスですし、物件は新築だから20年~30年は安心だろうという運営コストをまったく考えていないという状態です。
いやいや。②物件の信用力が一番大事でしょ。
そこです。②物件の管理はどうなっているのか?
そこが崩れたので一気に巡り巡って、物件の管理で失敗した運営会社や、融資をした銀行にまで責任が波及していったです。
この管理は不動産経営を長くやってる身からすれば、一番最初に勉強しておくべきことでもあります。
不動産を学ぶならば、不動産オーナー経営学院でしょ(笑)
2-1. かぼちゃの馬車物件の物件評価
まず、物件の管理についてお話します。
物件の管理を含めて、銀行は不動産の物件評価をします。
不動産というのは年月が経ち、築年数が古くなるとどうしても賃料が下がってきます。また、入居付けも難しくなります。なので、通常は築古になっていくことも考えて収支計画を立てます。
しかし、当時のスルガ銀行の融資では、それらのリスクを加味していない計画にも関わらず、審査をおろしていました。
なるほど、リスクの調査ですね。
そう、リスク調査こそが銀行審査の中身ですよね。
リスクが高ければ金利は高くなる。となると銀行も儲けたいと思うならば、よりリスクが高いところに向かってしまうという要因が引き金になったのだと思います。
今回の不動産投資は銀行も儲かったと!?
銀行もそうだと思いますが、運営会社もですね。
前回お話したように、かぼちゃの馬車物件はスマートデイズの利益がどーんと乗っています。
建物自体は木造2階建て、お世辞にも高級賃貸物件というわけではありません。
そういった物件を1億4〜5千万円で買ってるわけですよ。
年収600万円前後の方が。
なるほど、それで融資が下りるのは確かに異常ですね。
この条件で、融資する銀行はほぼありません。
かなりの富裕層であれば融資が下りることもあるかもしれませんが、そういった方をターゲットにしているわけではありませんからね。
2-2. 借り上げによる家賃の高値設定
なるほど、通常であれば、絶対に融資が下りない案件だということはよくわかりました。
今回融資が下りたのは、スマートデイズが「物件の借り上げ」をしていたから、ということですね?
そうですね。
事業計画では、家賃も高く設定されてますし、かなり高い金利でスルガ銀行が融資しても返済できるようになっていました。
この事業計画ではうまくいかないことは、銀行の担当者も分かっていたとは思います。
それでも、次から次へとスマートデイズが投資家(お客さん)を連れてくるので融資を行ってしまったのではないかと思います。
なるほど、ある意味、銀行側も思考停止に近かったのかもしれませんね。
2-3. かぼちゃの馬車物件の35年保証と借り上げ
このように、通常ではありえない融資が増えていきました。
しかし、投資家の物件購入者は今まで投資などを経験していない方がほとんどでした。
そのため、「かぼちゃの馬車」に、35年保証の投資だと勘違いしてしまった人が多く現れてしまった、というのもこの事件の問題の一つだと思います。
保証?
契約書に35年間、賃料を保証すると書いてあったんですか?
いえ、どこにも「保証する」、とは書かれてはいませんでした。
あくまで「借り上げる」、としか書かれていなかったのです。
なるほど。
それは確かに一概にスルガ銀行とスマートデイズだけが悪いとはいえない状況だったのかもしれませんね。
かぼちゃの馬車物件を購入した方たちは、これから35年間、賃料が振り込まれ続けると思っていたのですが、ある日、事件が起きました。
ここからまだ事件が起きるんですか…。
スルガ銀行が融資できなくなってしまったんです。
まぁそれだけ無茶苦茶な融資ならそうなるね。
というか、もっと早くてもいいくらいですね。
きっかけはいくつか説がありますが。。
まぁその説すべてがきっかけなんだと思います。
2-4. かぼちゃの馬車物件の入居者がいない?
かぼちゃの馬車物件の投資家(物件オーナー)が自分の物件の入居率を確認したときに、ほぼ人が入っていないことに気が付きました。そこで、投資家(物件オーナー)が本当にいつまでも借り上げてくれるのかと問題提起し始めた、とか、スマートデイズとスルガ銀行から内部告発があったという説などですね。徐々に問題が表面化し、銀行内部でも問題になったのではないかと言われています。
他の銀行でも当時、同様のことが行われていましたからね。
あ、他の銀行でも「不正融資」が行われていたんですか!
じゃあ、スルガ銀行もやり玉に上げられてしまったというところはあるんですね。
スルガ銀行の中でも組織ぐるみで行われていたわけではなく、ある支店でのみ行われていたと言われています。
あ、ではスルガ銀行も全体ではないというイメージだったんですね。
当時のスルガ銀行の担当者はかなり昇進したようですね。
なんと言っても、4%の利子で貸し付けを行っていましたからね。
なるほどですね。
それによって、融資が止まってしまったんですね。
次回は、スルガ銀行が融資を停止したことにより、どのような事態に発展していったかを源先生に教えていただきます!
かぼちゃの馬車問題!教えて、源先生!こんな不動産投資はやめておけ!①サブリース編
3. 不動産経営を学ぶとは!?
こういったかぼちゃの馬車問題のような投資問題は何十年に一度、明るみとなります。
「サブリースとは何か?」
「30年間の賃料保証は何故破られたのか?」
「業者に騙されないために何を学ぶべきなのか?」
私たちが同じ過ちを犯さないためにも失敗・リスクを学ぶことはとても大切です。
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