【やってみました】民泊新法!民泊許可の申請に行ってきました
2018.04.21
東京都で行う民泊物件1万6千戸のうち、8割となる1万3千戸以上が消滅するといわれる今回の「住宅宿泊事業法(民泊新法)」です。
「民泊の届出はお済みですか?届出提出は2018年6月15日まで」
全国で6万戸以上あるといわれる民泊のうちの5万戸以上が消滅すると言われています。
また、その民泊申請の内容や、運営を行う上での役所等の確認が非常に複雑となり、不動産に関する知識がない人は、事実上、申請できなくなってしまったというのが総論です。
一般的に民泊を始める上でハードルが低かった理由は、大家さんから物件を借りてすぐに始めることができたからです。今後は大家さんの承諾だけでなく、正規の委託管理会社との契約、建築士による確認業務、近隣住民への周知など、その業務が必要となります。この民泊新法への申請を怠ったものはすべて「違法民泊」となります。
今回は私が役所の担当者から受けた説明を、順を追って解説します。
目次
住宅宿泊事業とは
住宅宿泊事業とは
つまり180日(半年)以下の日数で貸す場合には民泊新法にあたるということです。
次に毎年4月1日正午から翌年4月1日の正午までの期間で宿泊させた日数をいい、複数のグループが同一日に宿泊していても、同一の届出住宅に対して1日と算定します。
どんな物件が対象か
(1)家屋内に台所、浴室、便所及び洗面設備が設けられていること
(2)人の居住の用に供されていると認められる家屋
つまり、以下のような物件となります。
1.住宅
2.マンション
3.別荘
1では、たとえば自分が住む家の隣の部屋を貸す場合や、大きな住宅を借りて複数のお部屋を民泊として貸す場合です。
2では、たとえば賃貸マンションの1室や、分譲マンションの1室を民泊として貸す場合です。
3では、たとえば別荘やセカンドハウス、転勤用のお部屋を民泊で貸す場合です。
私の場合は転勤用で大家から借りているマンションの1室ですから、3.別荘にあたります。
宿泊日数の上限が45日間と180日間で違う?
この家主居住型か?家主不在型か?によって大きく左右されるのが「宿泊日数」です。
住宅専用地域や文教地区ですと、家主不在型では「45日間」しか貸せないことがあります。上記以外では家主不在型でも「180日間」は貸すことができます。
ホームステイ型 | ホスト不在型 | |
管理方法 |
住宅内に住居がある ⇒住民票があること |
行政に登録された正規管理業者へ管理委託をする |
手続き | 行政庁へ「届出」 | 行政庁へ「届出」 |
宿泊日数 | 180日間貸すことができる | 45日間しか貸せない事がある |
物件規模 | 住宅の場合は2部屋以上なければならない。マンションの場合でも隣の部屋では不可。 | 1部屋から貸すことはできる |
実施エリア | 全国 | 全国 |
この用途地域に関する不動産の知識は、多くの民泊業者には分からないことも多いと思います。結果として空き家や路地裏の古民家など、住宅密集地などは住宅専用地域であることも多いため、民泊をビジネスとして考えることは難しくなってしまったと言えます。但し、ならば簡易宿泊業や旅館業の登録を行えばよいということもありますので、民泊というこれまでの概念ではビジネスにはならなくなったと言えるでしょう。
届け出はどこで行うのか?
まずは「保健所」に行きます。
私は東京都港区でしたので、みなと保健所の環境衛生指導係に訪問しました。電話か窓口で行うことができるそうです。
近隣住民等への事前周知はどう行うのか?
近隣住民などへの周知は、ポスティングなどで行えばよいとのことです。その記録の報告として、対応状況等の記録を作成し、届出時に添付します。
この事前周知のほかに、集合住宅やマンションの場合は、ポストや玄関に「民泊物件です」というシールを貼らねばなりませんので、賃貸物件に住む他の住民にとっては入居を敬遠されてしまうことにもなります。良い場所に立地するマンションなどは問題は少ないと思いますが、賃貸物件としての人気がなくなってきたから一定期間を民泊で貸そうと思う大家にとっては、民泊物件にするか、賃貸物件にするかの方向性をつけなければならないでしょう。
近隣住民等への事前周知(条例第6条)
届出をしようとする方は、届出をしようとする14日前までに、事業を営もうとする住宅の近隣住民等に、書面により、事前周知を行ってください。
どんなことをチェックするの?
事業を営もうとする住宅の安全確保処置
なんと建築士に依頼せねばなりませんとのことです。チェックリスト作成の依頼には、住宅の図面、壁などに使用した建材の種類等がわかる資料が必要になることがあります。また、分譲マンションならば管理規約の確認や、賃貸マンションでもオーナーの承諾が必要となります。
私の場合はオーナーの承諾を得られていますので簡易チェックのみでクリアしましたが、分譲マンションなどでは所有者が複数いるため、管理組合からの承諾を得ることは、ほぼ不可能になったといえるでしょう。また、消防設備や避難経路など専門的な知識と設備条件も厳しくなりました。
但し、本気で民泊物件を行おうと考えている大手業者が、マンションの区分の2/3以上を買い取り、管理規約ごと変更してしまうという荒業を行うところもあると聞いています。
管理業務を委託できるの?
この管理業者は、ただのマンション管理会社などではなく、住宅宿泊管理業者が法第22条の登録を受けた業者であることを確認し、登録済みの住宅宿泊管理業者と委託契約を締結することとなります。
事実上、民泊管理業者も、この新法を機にほとんどの個人業者が業務をすることができなくなってしまったと言えるでしょう。但し、これも専門家の話によると、この民泊新法を機に、正規管理業者に現在の民泊物件管理の仕事が集まるために、千載一遇のチャンスだと考えているそうです。つまり、正規登録業者と違法業者の境目がはっきりしたことで、正規登録業者が一気に力を増すということです。
消防署などにも届出が必要なのか?
消防機関、保健所、リサイクル清掃事務所、水質汚濁防止法所管部署、税務署にも問い合わせをすることが必要となります。
事業の届出をするときに必要なこと
届け出の際の本人確認
窓口にて、届出をする方の本人確認を行います。
〇届出者の住民票
届出方法 10営業部前までに届出をする。
民泊制度運営システムを介した電子媒体での届出か、窓口での紙媒体での届出をします。
届出関係書類 届出書(法施工規則第1号様式)
・定款又は寄付行為
・法人の登記事項証明書
・役員が、成年被後見人及び保佐人に該当しない旨の後見等登記事項証明書
・役員が、成年被後見人及び保佐人とみなされる者並びに破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村の証明書
・住宅の登記事項証明書
・住宅が入居者の募集が行われる家屋に該当する場合
・その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されていることを証する書類
・住宅図面
・賃貸契約書など
・分譲の場合はさらに管理組合などの書面や誓約書
・住宅宿泊管理業者に委託する場合はその契約書
・欠格事項に該当しないことなどを誓約する書面
・近隣住民などへの事前周知を行った旨を証する書類
・事前相談記録書など、消防機関に消防法令の適合状況について相談などを行った旨を証する書類
・届出住宅の安全確保処置に関する国土交通大臣告示との適合状況チェックリスト
人を宿泊させた日数を報告する
電子上で行うとはいえ、非常に管理も手間暇がかかることになりました。また港区の条例では、宿泊者名簿を作成の日から3年間保存する、2カ月に1度の報告をするなどの別途条例もあります。
事業の届出番号をもらう
事業の届出番号及び標識の通知受理をします。
さいごに
これまでの民泊ブームの終焉と共に、新たな旅館業や簡易宿泊業に転向して本格的にホテル業に進出する会社が多くなると予想されています。また賃貸物件の大家さんにとっては、これまで民泊によって賃貸物件を借りずに地域を転々とする民泊住民が少なくなり、賃貸物件を借りる人も増えるでしょう。
いずれにせよ、日本にやってくる海外の観光客や滞在者は増え続けることが予想されているために宿泊施設はまだまだ必要な状況には変わりありません。これまでのような一部屋に複数人を詰め込む極狭民泊物件や、ゴミ出し、騒音トラブルなども大幅に減り、日本での滞在宿泊の安全性や快適性が高まり、イメージアップにもなるでしょう。
不動産オーナー経営学院は、「勝ち残る不動産オーナーになること」を目的とした社会人のためのビジネススクールです。日本全国で不動産専門のネットワーク、成功実例研究、最高峰の情報を持つ、唯一の独立系不動産専門学校です。
筆者:一般社団法人不動産オーナー経営学院 代表理事 横山篤司
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