そこに容積があったのか(1)-オシャレパークに変貌する都市型公園編
2022.06.23
皆様初めまして
REIBS受講生は大変ご無沙汰しております。
REIBS東京校3-5期で講師を担当しておりました不動産鑑定士の田代です。
コロナ禍もいよいよ終盤でしょうか。次なるマーケットに向けて、アンディ学長からコラム依頼をいただきましたので、不動産鑑定士の視点で執筆させて頂きます。
REIBS(リーブス)は、これまでに1000名を超える受講生が不動産投資を学んだ日本最大の賃貸経営専門スクール。不動産投資初心者からベテランの投資家まで、多くの方が在籍しています。現在、約60分の無料体験実施中。「投資」と「経営」が学べる内容となっていますので、ぜひ1度チェックしてみてください!
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さて皆さんは昨年オープンした渋谷のミヤシタパークには既に行かれましたでしょうか?
または名古屋だとレイヤード久屋大通パークですね!
いずれも三井不動産が開発、運営しております。この2施設、もちろん共通しているのは名前に公園があるところです。
元々都市部の中心にあった公園を立体化して低層の商業施設を建て、屋上を公園にしたものです。
渋谷ではコロナ禍ではありましたが、新名所として、またオープンエアーな居酒屋の渋谷横丁が企画され、現在も人気のスポットとなっています。
で、他のデベロッパーからすれば一等地だし、それはゆったりとした開発でいいですよね!となるわけです。
ここは元々公園だから、公共用地で、現在も渋谷区所有の公園のままです。その公園に関しては、都市公園法やパークPFI法の整備変更を経て、だいぶ利用できるようになってきました。
私も知らなかったのですが、公園は元々都市公園法で建蔽率が2%と定められていました。
都市公園法 についてはこちらから
それは公共トイレや公園の管理を行う倉庫、消防団用の消火設備の倉庫などの利用を見込んで古くに法律で定められていました。
いま、この公園の指定管理者制度の指定管理人になろうと、デベロッパー、小売店、コーヒー屋、鉄道会社、設計事務所などから熱い注目を浴びています。
なにせ、周りには競合がおらず、広々空間。なんなら、簡易テーブルを拡張すれば土日はその飲食スペースを広げられますし、テイクアウトでお弁当を公園のベンチや芝生に広げられるわけですからね。
設計士としても多くの人の目に集まって、建築費分の賃料を回収する建物にさえすれば、吹き抜けの大きな建物など作りたい放題。
でも本当は建物の価値だけではなく、土地の価値も出してね!といいたいところではあります。
全国的にも事例は100件-200件ぐらいのようですが、これはどこもかしこもやってくると、そのうち市町村議会などで事業者優遇がすぎると話題になることでしょう。あまりやり過ぎず、気付かれないことが一番ですね。
では次回は駅舎と道路についても執筆したいと思います。
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目次
オシャレパークに変貌する都市型公園
今回のテーマは「オシャレパークに変貌する都市型公園」と題してお送りします。
自然公園法の一部を改正する法律
今回の法改正によって、公園の指定管理者制度、パークマネジメントなどの加点を加え、公園内に容積率が創出され、かなり店舗が進出してきています。 法改正の詳細につきましては環境省発表のサイトをご覧ください。 環境省発表の自然公園法の一部を改正する法律 思い返せば、大阪城公園のミライザ大阪城、上野公園のスタバ、池袋南公園のラシーヌファーマーズというレストラン、 渋谷神南のブルーボトルコーヒー、私が最近行ったところでは北九州の小倉城下の公園にコメダ珈琲が入店していました。 いずれも、気持ちよい公園に整備された一方で、入居テナントによってはまさにドル箱です。 上野公園のスタバなんて、ライバルは自動販売機しかないですから、信じられないほどの売上になっていると思われます。 また、この土地を提供しているのはこの公園を所有する市町村の自治体ですから、いままでは維持費にお金がかかっていた公園に建物を建てるだけで、テナントに管理してもらえ、しかも雇用も生まれる。と良いことずくめなのですが、 ポイントは土地の取得費がゼロのため建物の賃料も極めて安いということです。 公園は古くは、江戸時代の火除地として整備されてきた、または区画整理時の保留地の一部をやはり憩いや防災のために整備し自治体が所有管理してきたため、簿価にあがるような取得費はほとんどがありません。 また、公共用地には固定資産税は課税されませんから、公園の土地には固定資産税すらかかっていません。自治体も取得費ゼロですので、高い地代で貸すことができない。貸す観点がないわけです。 支出は建築費のみです。またはミヤシタパークのように大型のものは建築費も指定管理者(デベロッパー)負担なので、建築費の負担もありません。

