解体時のテナント退去費用の相場は?
日本では入居者(テナント)の立退費用について決まった相場はありません。しかし、本音を言えば弁護士への相談費用の方が心配で、なかなか情報が得られないという方が多いのではないでしょうか。まずは一般的な立退費用の算出概念についてです。
- 借家権の価格
- 移転費用
- 営業補償費用
- 慰謝料
- 造作買取価格
金額として住居は賃料の3カ月分、事務所は賃料の6カ月分、店舗は長期に渡る入居者の場合で最大賃料の2~3年分と言われます。
ここで、入居者(テナント)との借家契約がポイントとなります。借地借家法施行(平成4年8月1日)前に締結された契約について、更新拒絶の通知や解約の申入れに関しては旧借家法が適用されます。
次のポイントは、契約を解除する際に、「賃貸人は期間満了前の1年前から6ヶ月前までの間に更新拒絶の通知をするだけでなく、「正当ノ事由」があってはじめて、借家契約を終了させることができます。」という条文があります。
「正当ノ事由」については以下が挙げられます。
・建物が古い
・入居者の滞納履歴
・入居者の言動や行動履歴
・商売の売上状況
・貸室の使用状況
・暴力団等の介入行為等
最後に、何千件と立退に立ち会ってきた専門家曰く、立退き交渉の窓口となる担当者(弁護士等)の経験がすべてです。法律的な見解は参考にはなりますが、結果として交渉力や経験値があるかどうかで金額は大きく変わります。昔は「ゴネ得」と言われたそうですが、再開発時において入居者に正当な理由が十分ない状態で「最後の一軒」になった場合は、経済的な損失に当たるとして退去命令が先に出るという判例もあります。
<入居者(テナント)の立退交渉の窓口>
・不動産所有者が直接行う(弁護士を窓口にする)
・管理会社が行う
・建設会社が行う
・再開発組合を立ち上げる