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区分マンション投資のメリットとデメリット!始めやすい一方でリスクも大きいってホント?!

2022.06.15

ライター:亀梨奈美

「区分マンション投資」は、物件価格も比較的、安いため、投資初心者が始めやすい不動産投資の1つです。

しかし、始めやすいからといってリスクがないというわけではありません。

本記事では、区分マンション投資のメリットやリスクについて分かりやすく解説します。

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1.区分マンション投資とはマンション一室を取得し運用すること

「区分マンション」とは、マンションの一室のことです。

区分マンションを複数所有する投資家もいますが、基本的には、1棟マンションやアパートのように1つの建物で複数の区分を貸し出す不動産投資ではありません。マンションの1室のみを取得・運用する投資です。

区分マンション投資は共用部を管理する手間がなく、取得費用も比較的、低いことから、初心者が始めやすい不動産投資だといえるでしょう。

2.戸建てやアパート投資にはない区分マンション投資のメリット

まずは、区分マンション投資のメリットからご紹介します。

メリット1.耐久性が高い

鉄筋コンクリート造などのマンションは、木造の一戸建てやアパート以上の耐久性を有しています。

耐用年数が長いため、長期に運用することも可能自然災害による倒壊や損傷のリスクも圧倒的に低いといえるでしょう。

メリット2.管理が楽

一棟マンションやアパートは、建物すべてを所有し、運用します。管理しなければならないのは、居住スペースのみならず、廊下や階段、エントランスなどの共用部分も含まれます。また一戸建てについても、建物の外観や屋根、庭なども管理対象となります。

その一方で、区分マンションの建物自体の管理は管理組合や管理会社に一任できます。厳密にいえば、所有者も管理組合の一員ではありますが、他の物件種別と比較してもはるかに管理は楽です。

メリット3.取得しやすく手放しやすい

区分マンションは、一戸建てやアパート、1棟マンションと比較して低価格。取得しやすい物件種別です。

また流動性が高いため、売却もしやすい傾向にあります。「始めやすく手放しやすい」というのは、不動産投資するうえでの大きなメリットです。

3.区分マンション投資にもリスクがある

区分マンション投資にも、一定のリスクがあります。

リスク1.管理は楽だけど「自由」はない

区分マンション投資のメリットの1つとして「管理が楽」ということを挙げました。しかし、管理は楽だとしても一区分所有者に権限はありません。

所有している居室内については管理規約さえ遵守すればリフォームなども可能ですが、管理費や修繕積立金は組合が決めた金額を毎月、支払わなければならず、外観や共用部分の修繕やメンテナンスの実施も組合が決定します。

ときには、大規模修繕のために一時金が徴収されるようなケースも。いずれにしても管理組合次第ですので、運用中には予想外の出費や維持費が上がる可能性があります。

リスク2.転用はほぼできない

区分マンションにも土地の持分はあるものの、自由に土地の活用ができるわけではありません。それに対し、一戸建てやアパート、1棟マンションは自由に建て替えたり、別の土地活用ができます。

また土地は経年劣化するものではありませんので、戸建てやアパート、1棟マンションには一定の資産価値が残るものです。土地の持分が少ない区分マンションは、物件の条件によっては資産価値が低下し続けます。

リスク3.赤字になりやすい

区分マンション投資による収入は、1室の入居状況に依存します。入居者が入らなければ、もちろん収入はゼロ。そもそも大きな利益には期待できないローリターンの不動産投資であるため、赤字にもなりやすいといえるでしょう。

リスク分散として複数の区分マンションを所有する投資家もいますが、それには元手や融資審査に通るだけの信用と属性が必要です。

4.新築区分マンション投資は失敗が多い?

区分マンションの中でも「新築」は、とくに投資初心者の方にあまりおすすめできません。

一見すると需要が高く、収入も安定しそうな新築区分マンション投資ですが、次の理由から運用が難しいといえます。

1.資産価値下落のスピードが速い

区分マンションに限ったことではありませんが、新築物件の価格には、いわゆる「新築プレミア」が上乗せされています。

また、分譲会社の利益や広告費なども価格に転嫁されているため、一説には新築物件は中古物件になった途端に価値が2割程度落ち込むといわれているほど割高なのです。

2.今後の予測が難しい

中古の投資物件は、これまでの運用歴から収支の予測がつきやすいものです。

しかし、当然ながら新築物件はこれまで一度も賃貸物件として市場に出たことがないため、需要や家賃の予測が立てづらいといえます。

3.赤字リスクが高い

取得費が高い新築区分マンションは、利回りが低くなりがちです。また新築マンションはフルローンも可能であることから、ローン返済後の手残りが「やっとプラスになるかどうか」というケースも少なくありません。

このような“綱渡り経営”をしていると、空室になった途端、大幅な赤字に転じてしまうリスクがあります。

4.手放しにくい

新築区分マンションは、フルローンやそれに近い融資も受けやすいため投資初心者が最も始めやすい投資だといえるでしょう。しかし、新築は資産価値下落のスピードが早いため「オーバーローン」の状態にもなりやすいといえます。

オーバーローンとは、ローン残債が資産価値を上回っている状態です。オーバーローンの物件は、完済に不足する分を自己資金等で補わなければ売却できません。

赤字が出るうえに手放せない……このような状況になってしまえば、安定的な収益を得るどころか給与など他の収入からローンを返済していかなければなりません。

区分マンション投資は始めやすいからこそ徹底的なリスク回避が必要

価格が安く、管理も楽な区分マンション投資は、初心者でも始めやすい不動産投資です。しかし、その分リターンは少なく、今回お伝えさせていただいたようなリスクもはらんでいることを認識しておきましょう。

簡単に大きな収益を上げられる投資などありません。また、自分に合った物件種別というのは投資の目的や収入、その他の資産状況次第でもあります。

無知なまま不動産投資を始めるのは、防具をつけずに戦地に赴くようなもの。安定的かつ継続的に、目的を達成できる不動産投資をするには「学び」が必要です。

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ライター紹介

亀梨奈美株式会社realwave代表取締役/不動産ジャーナリスト

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。2020年に株式会社realwave設立。不動産全国紙の記者として、不動産会社や専門家への取材多数。
大手出版社や不動産会社、メガバンクへの寄稿やセミナー登壇など「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに活動している。

亀梨奈美

不動産オーナー経営学院リーブス REIBS|不動産を所有してから学ぶ、不動産オーナーのための経営学院|基礎から学び、成果に結び付けるカリキュラム|2013年創業

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