田舎の土地(農地)相続手続きを始めました。手続きの方法、注意点を紹介します!
2018.07.14
田舎で土地を相続予定の人は、このように考えていませんか?
・農地(田畑)なのでどれだけ広くても安い
・田舎の土地なので相続税は問題ないだろう
・農地は欲しくもないから手放せばいい
・農地をうまく活用できないか
都心に土地を持つ人であれば、その土地を誰がどう引き継ぐのか、相続税はいくらなのか?を嫌でも考えなければなりません。
そこで、相続税を支払う資金がなくなるかもという不安や心配を持ち、具体的に考えたり、専門家に相談する人も多いでしょう。
しかし、農地については相続税や費用が発生する可能性が少ないと思い込んでいる地主が多く、相続について何も考えていない地主が大半だと思います。
目次
1. 私の経験した相続の手続き
実は私の家がそうでした。
私は奈良の田舎の8代目の地主でした。
私が生まれた時から土地の話はよく聞かされていましたが、相続のことについては何も聞かされず、田舎の土地だから問題ないというようなことを聞いており、特に心配していませんでした。
あえて、心配するというと、祖父や父は田畑や農地を管理していました。
また、私自身は農業をやったことがなく、
「農地を維持するのは難しいかもなぁ」と思っていました。
そして、実際の相続になると、農地の相続準備がされていない状態でした。
同じように準備不足で大変な思いをされないように、何を確認しておかないといけないのか、注意すべきなのか、何から始めればいいのかについて紹介したいと思います。
1-1. 相続の手続きでの最初の壁「共有」
どこにどんな土地があるのか、把握している人が全くおりませんでした。
そこで私が調べたところ、私の家の農地、山林、土地の名義は全て祖父母と曽祖父母の共有となっていました。
おそらく、相続税対策としてやっていたのだと思います。
そのため、曽祖父母、祖父母の代までは相続について特に何もしなくてもいいという状況がありました。
しかし、祖父母が亡くなった後、父がそれをしなければなりませんが、全く動きません。
面倒臭かったのだと思います。
税理士に相談したけど問題なかった、そう言われていましたが、個人的には税理士がめんどくさかったので何とかごまかしたのではないかという思いでした。
そこで、私は自分でその手続きを始めることにし、一から勉強をしました。
1-2. 農地 相続のキーワード検索しても分からない
しかし、何から始めればいいのかを調べてもわかりませんでした。
そこで、『農地 相続』などのキーワードで調べて見ても、出てくるのは弁護士や税理士法人が運営しているメディアです。
・現状把握が大切!
・早い段階で、弁護士や税理士に相談しましょう!
という結論になっており、調べても何から始めればいいのか、具体的なことがわかりません。
ネットで検索して現状把握とありますが、現状把握が大切なのは良く分かるものの、どのように現状把握を行えばいいのかが分かりませんでした。
1-3. 税理士や弁護士に相談する選択肢って?
余談ですが、私の周りの大地主からは税理士や弁護士に相談して大失敗だったと聞きました。
ですから、私には税理士や弁護士に相談する選択肢はありませんでした。
大地主曰く、税理士や弁護士はアドバイスはするけど、自分たちが相続で苦労した経験がなく、自分の商売につながるようなアドバイスしかしない、地主目線のアドバイスは全くないとのことでした。
そんな私が大地主で土地活用をうまくやってらっしゃる方々に相談しながら、実際に相続手続きを進めた方法について紹介します。
2. 現状把握の方法
まず、現状把握には2つ用意する必要があります。
1. 謄本(全部事項証明書、共同担保目録)
2. 公図(地図)
この2つが現状把握に必要な資料です。
2-1. 謄本(とうほん)とは?
まず、謄本と聞いてもなんのことか分からない人も多いと思います。
私は何ですかそれ?という感じでした。
謄本というのは、個人の戸籍謄本と同じようにその人の履歴をたどることができるのと同様、その土地の履歴をたどることができます。
人と違い、その土地の何かしらの担保に入っている、いないなどまでわかります。ローンを組む際などにその土地を担保に入れている、いないなどが分かるわけです。
2-2. 公図(こうず)とは?
公図というのが最初は読めませんでした。
土地の境目などが記載されている図です。
その土地に1筆ごとに番号がかかれているので、どの敷地のことなのかが分かってきます。
3. 謄本の入手方法
不動産(土地、建物)を所有していると、毎年の固定資産税の支払いをしていると思います。
その固定資産の支払い用紙が送られてくるところに
課税証明書(かぜいしょうめいしょ)
というのがあります。
謄本には全部事項証明書、共同担保目録をセットで入手する必要があります。
これでその住所の所有者の履歴、その住所がどこかの担保に入っているのかいないかまでわかります。
3-1. 登記情報提供サービス(リンク)
ではどのように入手するのかというと、
登記情報提供サービス
を利用します。
管轄の法務局でも入手することができます。
今回はネットでできる登記情報提供サービスを活用して入手する方法について説明したいと思います。
法務局で入手される方は管轄の法務局にて申請書を記載してください。
分からない場合は管轄の法務局の職員に教えてもらえるとお思います。
こちらに登録すると謄本、構図ともに電子ファイルで入手することができます。
登録では名前、住所、クレジットカード番号等を入力し、1週間ほどで登録した住所に登記情報提供サービスの会員IDとログインPWが郵送されてきますのでそれを受け取ってから初めて利用できます。
管轄の法務局の窓口でも取得することはできます。
しかし、オンラインで入手した方が手間が省けるうえ、取得費用も安価です。
私の場合は土地だけでも40件程度ありましたので、迷わずに登記情報提供サービスで取得しました。
3-1. 公図の入手方法(リンク)
構図の入手方法についても謄本と同じです。
登記情報提供サービス
を利用します。
公図については全ての住所を入力して取得する必要はなく、一つの住所を入力すると、周りの住所も記載されているので、近くの住所を取得する場合はまず一つ、取得して確認し、そこに自分が欲しい住所がのっていなければ追加で取得するのがいいと思います。
4. まとめ
田舎の土地相続では相続税は関係ないと思って油断している人が多いですが、手続きはしっかりと行なわなければなりません。
ただし、その手続きの方法についてはネットではなかなかいい情報がなく、結局、税理士や弁護士に相談するという流れになっているのが主流ですが、自分で理解できれば簡単に行えます。
さらに、登記情報提供サービスという便利なサービスまで出てきています。
オンラインサービスで情報の取得、申請まで全て行えます。
まずは手続きまで理解して自分で行うとよいです。
さらにはうまく土地を活用して収益をあげるようになれば、田舎の土地も大きな収入源になります。
資産運用学科
田舎の農地と思わず、先祖は農地として役目を果たすこと。
さらに今その時代にあった役目を果たす可能性のある土地だと考え、
可能性を追求するとお金を生む土地になるかもしれません。
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