かぼちゃの馬車問題!教えて、源先生!こんな不動産投資はやめておけ!①サブリース編
2023.04.10
サブリースの罠や問題となった事件を徹底解説。
30年の賃料保証や銀行貸付の裏側をわかりやすく解説します。
また2018年に問題となった不動産投資「かぼちゃの馬車問題」を取り上げて、
業者のビジネスモデルや投資家が破産に追い込まれた経緯について追及をしていきます。
こんにちは。
不動産オーナー経営学院でファシリテーターを務めます
高橋周平ことしゅうちゃんです。
みなさんも耳にしたことがあるかも知れません
不動産業界を震撼させ、社会問題に発展した、「かぼちゃの馬車問題」を
複数回のシリーズで解説してもらいます。
第1回は、かぼちゃの馬車とはどんなビジネスモデルだったのかを徹底追及し、
実際にかぼちゃの馬車問題の裏側と真相を知る源先生に教えていただきます!
目次
1. かぼちゃの馬車とはどんなビジネスモデルだったのか?
源先生、よろしくおねがいします。
よろしくおねがいします。
まずは、初めてかぼちゃの馬車の話を聞く人にも分かりやすいように、かぼちゃの馬車問題とは何なのか。そして、どんなビジネスモデルだったのかを教えて下さい。
1-1. 女性専用のシェアハウス投資
はい。
かぼちゃの馬車問題とは2017年〜2018年頃にかけて話題になった、女性専用のシェアハウスを運営している『スマートデイズ』という会社が、オーナー(投資家)にサブリース家賃を支払わなくなった事が発端になった投資問題です。
シェアハウスとは、共用のリビング、キッチン、トイレなどの設備があり、入居者ごとに専有部屋があるという賃貸住宅が多いのですが、かぼちゃの馬車シリーズにはリビングやダイニングはなく、共用部には簡易キッチンとシャワー、トイレしかありませんでした。
専有部屋は四畳半の部屋があるだけという感じですね。
あんまりイメージしにくいですね。
リビングや食堂のようなものもないということは、学生寮のイメージとも違いますよね?昭和の下宿先、みたいなイメージでしょうか?
だいたいそんなイメージですかね。
1-1. 新築の表面利回りが高い
ここが問題になった理由があります。
こういったシェアハウス「かぼちゃの馬車シリーズを新築で建てる」という投資をしませんか、というものです。
表面利回りで立地が良いと6%、通常は7〜8%前半という破格の利回りです。
すごいですね。ワンルーム投資の倍くらいの表面利回りになってますね。
そうですね。
彼らの投資商品は、「オーナーは土地と建物の建設費を出してください、スマートデイズが物件を丸ごと一棟35年間借り上げて、シェアハウスを経営し、家賃を一定額払います」というものだったようです。
なるほど、それは確かに魅力的に見えますね。
しかし、なぜ人に買わせるのでしょうか?
スマートデイズが直接自分たちで土地を買って建物を建てたほうが良くないですか?
それをしてしまうと、銀行からの借り入れが膨らむからです。
スマートデイズ側としても、どんどん新築で建てて事業をハイスピードで拡大しようとしていたようなので、スマートデイズが売りに出されている土地情報をたくさん集めて、誰かに買ってもらい建てていただく。
そしてシェアハウスを高速で増やし続ける。
1-2. 35年間借り上げを保証する
これだけだとただのシェアハウス投資なんですが、
スマートデイズが通常のシェアハウス投資会社と違ったのが、
35年間借り上げを保証すると言ったことです。
35年間はすごいですね。
そうですね。
そして、すごいスピードでこのカボチャの馬車の物件は増えていきました。
数年で100棟を超え、部屋数1,000〜2,000室あったんじゃないかと思います。
さらにすごかったのは、人材派遣の会社と提携し、地方から出て東京でカフェで働きたいとか、おしゃれなアパレルの店員になってみたいというような、女性の東京への憧れというニーズを捉えたということです。
かぼちゃの馬車は女性専用でしたので安心安全というところもあったと思います。
なるほど、それは確かに上京のハードルをいくつも下げてくれますね。
ですので、スマートデイズは、女性をターゲットに入居してもらい賃料を得るだけでなく、仕事を斡旋することで、人材派遣会社から紹介料が取れていたのではないかと思います。
2. かぼちゃの馬車はなぜ破綻したのか?
ところで、何故破綻してしまったのでしょうか。
はい、実際100棟ほど建っていた時代は、人気がありすぎて物件が足りませんでした。
立地も良いところが多かったので、新築ができたらすぐ部屋が埋まってい来ました。
私の記憶だと、200棟くらいまでは、事業収支も問題ないんじゃないかと思えるくらい広がっていました。
しかし、最終的に全部で700棟くらい建てたようなのですが、
350棟くらい建てたあたりから立地の仕入れが雑になっていきました。
2-1. 物件の仕入れが雑
「仕入れが雑」とは、どういう意味でしょうか。
つまり、仕入れた土地がどんどん悪い場所になっていったということですね。
そっか、良い立地の土地がなくなってきてしまったからですね。
そうです。
しかも、かぼちゃの馬車は、投資家が購入した瞬間に利益が確定していました。
つまり、スマートデイズが5,000万円位で仕入れた土地を、9,000万円とかで投資家にすぐ販売していました。
あ、なるほど。
冒頭でスマートデイズが自分で新築を建てない理由を伺いましたが、投資家にすぐ転売しれば「差利益も高かったから」ですかね。
おそらくそうだと思います。
そんな高額かつ立地が悪い土地でも、計画上の数字は投資家の利益も高かったので、スマートデイズがセミナーなどで不動産情報を出すたびに飛びつくように購入していたようです。一人で複数棟購入する人たちも多く居たようですね。
まぁ、35年間家賃保証で、しかも良い利回りであれば買っちゃいますよね。
2-2. 入居者の家賃が高すぎる
そうなんですよね。
そして、その高利回りを支えているのは、入居者の家賃です。
スマートデイズは、一棟70万円くらいで投資家に借り上げ家賃を支払っていましたが、場所が悪いと入居者が入りません。入居者の家賃は6万円とかだったようなので、そもそも周辺の家賃相場を大きく超えていたのでしょうね。
6万円ですか!
都心ならいざしらず、悪い場所ということは東京近郊でしょうから、
流石にワンルームに住めますもんね。
そうですね。
最初は山手線沿いや自由が丘、高円寺などの人気エリアのため、6万円の賃料でも割と入居者は簡単に集まったようです。なかには、7〜8万円で決まっていたケースもあったようです。
予定より高い家賃で入居者が決まれば、スマートデイズが投資家に払う賃料は固定だから、スマートデイズ自体の利益がさらに上がりますね。
しかし、6万円の家賃では決まらないエリアの土地になってきたらどうか。
これは私の予想ですが、入居者が見つからなくても土地の仕入れ担当は関係なかったんでしょうね。それでどんどん悪い土地で、6万円の家賃じゃ決まらないエリアばかり持ってくるようになってしまった。
そうするとシェアハウスの借り上げ賃料をオーナーに支払うと大赤字になってしまいますね。
2-3. 物件を投資家に倍近くで売った!?
しかし、スマートデイズは、土地を売れば先程話したように4,000万円くらいの利益が確定します。
そのため、スマートデイズは建物を売ることを優先するようになってしまいました。
でも、かぼちゃの馬車の魅力は、家賃だけでなく、おしゃれなお店で働くことができる、っということもありますよね?
まさに、このタイミングで、人材派遣会社との提携が打ち切りになってしまいました。
え!頼みの綱が!
ということで、今回はここまでになります。
次回は、この後待ち受けるスマートデイズと投資家さんの壮絶な日々について、源先生に伺います。
3. 不動産経営を学ぶとは!?
こういったかぼちゃの馬車問題のような投資問題は何十年に一度、明るみとなります。
「サブリースとは何か?」
「30年間の賃料保証は何故破られたのか?」
「業者に騙されないために何を学ぶべきなのか?」
私たちが同じ過ちを犯さないためにも失敗・リスクを学ぶことはとても大切です。
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