銀行ってどんな審査基準?不動産を買うときのローンの借り換え理由や攻略まとめ
2020.04.8
不動産経営学院REIBSの学長横山篤司です。
私は20代の頃に不動産の外資系投資銀行に勤め、現在はビル、マンションなどの事業用不動産のオーナーをしています。
今日は不動産を担保にして銀行からお金を借りるうえで、金融機関にはどのような仕組みや審査があり、どのような借り入れ理由で攻略していくべきかについて解説をします。
目次
不動産担保における銀行融資の3つの審査
主に不動産を担保としてお金を借りる上では、
- プライベートローン(個人保証)個人の年収や資産を重視
- コーポレートローン(会社保証)会社の業績や信用を重視
- アセットローン(物件保証)物件の収益力を重視
の3つの審査を基にしたローンがあります。
結論からいえば、ローンの違いによって「審査方法」や「金利や借入条件」が異なります。ですから、ひとつの銀行から断られたからもうダメだと諦めないでください。
不動産学校では100人以上の所有者とともに、様々なローンの借入条件の裏側を聞いていた経験を通して、攻略方法を提供します。
そもそも不動産の担保(たんぽ)とは?
みなさんは不動産の担保と聞いてどんな審査をするのだと思いますか?
不動産の担保だから、「不動産の評価額を基に審査している」と思っている方がいましたら、そうですね、答えとしては30点です。
たとえば、
- 所有者の情報(年収、年齢、勤めている会社、本人が健康かどうか)
- 会社の情報(社歴、事業内容、決算書、黒字かどうか)
- 物件の情報(所在地域、築年数、所有権の状況、賃貸収入はどうか)
といった情報を具体的に調べます。
そして、不動産を担保にしてお金を借りるからとはいえ、必ずしも不動産から得られる収入があるからローンが払えるというわけではありません。
たとえば物件が空室となって収入が入らない、大きな修繕工事があって支出があったなどで、その月だけ収入がマイナスとなってしまうことがあるからです。
また、物件が高額(場所がよい等)であれば、賃貸収入よりもローンの支出が大きいので、ローンの返済金で足らない分は自分の給料でローンを支払わなければならないこともあるでしょう。
つまり、①所有者の状況はどうか、②会社の状況はどうか、③物件の収入はどうか、という少なくとも3つの視点から不動産の担保を考えているといえます。
3つのローンの審査基準を解説
そこで、
- プライベートローン(個人保証)
- コーポレートローン(会社保証)
- アセットローン(物件保証)
の3つのローンとはなにか?そして審査基準とはなにかについて解説をします。
①プライベートローンとは?
プライベートローンは、新規で不動産に投資をする場合に使われます。
新築マンションや戸建て住宅などの投資用あるいは居住用不動産を中心とし、対象となる不動産のエリアや金額が限られた不動産投資で使われます。
審査基準としては、
- 個人の年収
- 個人の年齢(借り入れ期間に影響)
- 個人の資産(持ち家の返済状況、居住年数)
- 勤める会社
- 不動産以外でローンやリボ払いがあるか
といった情報を基にして審査をします。
②コーポレートローンとは?
コーポレートローンは、会社でお金を借りて不動産に投資をする場合に使われます。
ビルやマンションなどの事業用不動産を中心とし、全国様々なエリアで金額も様々です。不動産をしょゆうするとはいえ会社の本業が製造業なども場合もあり、毎年の売上に変動がある会社もあります。そのため、会社の売上状況やこれまでの信用によっては返済条件や銀行先が大きく異なります。
審査基準としては、
- 会社の社歴
- 会社の事業内容
- 過去3年分の決算書
- 利益が黒字かどうか
- 不動産に対する知識や経験はあるか
といった情報を基にして審査をします。
③アセットローン(ファイナンス)とは?
アセットローンは、アセットファイナンスともいわれ、不動産のキャッシュフローを基にして不動産に投資する場合に使われます。
賃貸事業を本業とする場合に、その物件から得られる賃貸収入に対してローン返済が可能かどうかが重要となります。日本ではリーマンショック以前には「ノンリコースローン」といわれる不動産の収益性のみを担保としたローンがありましたが、所有者や会社の保証のない無担保は現在できなくなっています。
審査基準としては、
- 物件の収益力
- 投資計画書
- 土地や建物の固定資産税評価額
- 個人や会社の担保保証を入れたうえで加味する
といった情報を基にして審査をします。
不動産担保融資を扱う銀行の種類
不動産を担保にしてお金を借りる場合には、いくつかの借入先があります。
たとえば、銀行の種類と変動金利の目安があります。
銀行の種類 | 借り入れ金額目安 | 変動金利目安 |
大手銀行 | 1億円以上 | 0.2~2.0% |
地方銀行 | 3000万円~5億円 | 0.8%~3.0% |
信用金庫 | 1000万円~2億円 | 1.0%~4.0% |
ノンバンク系 | 1000万円~2億円 | 1.5%~5.0% |
消費者金融 | 1000万円~ | 2.5%~15.0% |
まず不動産を担保にしてお金を借りる場合には、その理由が問われます。その理由によっては大手銀行がよいのか、信用金庫がよいのかという判断も分かれます。
また金利には最低金利から上限金利までに開きがありますが、理由によっては金利が下がる可能性があります。
私の経験からいえば、所有者の不動産に関する知識や、投資に対する意識によってかなり金利や借入条件が異なります。本業で不動産事業を行う場合には、プロの目線から事業計画や経営目標をつくる必要があります。詳しくは解説します。
実際に金融機関へ相談するには
さて、よくドラマを見ていると、金融機関の窓口で融資を借りる、借りれないといった話がありますよね。
まったくその通りと私は思います。
「相手を見て、書類を見て、物を見て、これならばお金を貸しても大丈夫だ」という感覚が、そのままお金を借りる側のみなさんにも考えていただきたいのです。
「私は一流の会社に勤めているからお金を借りれるのだ」
と思っている人がいたならば、これはカモです。
最近では不動産投資を斡旋する仲介会社だけでなく、金融機関もグルになったというのが事件やトラブルでありましたよね。
10年以上、私がこの業界にいて、この話をいまさら批難する人は誰一人としておりません。20年前も、30年前も、おなじ手口で、同じようにサラリーマンが引っかかるからです。
ですので、実際に金融機関に相談するうえでは、
- プライベートローン(個人保証)
- コーポレートローン(会社保証)
- アセットローン(物件保証)
の3つの審査に対応できる書類をつくることです。
最初に金融機関から返済年数15年、変動金利2%といわれたならば、こちらは返済年数20年の変動金利1.2%で交渉をするのです。
返済年数と金利をうまく引き出して交渉するのが腕の見せ所です。
不動産担保融資まとめ
私が外資系投資銀行に勤めていた2000年代初頭より、不動産評価を「数字」で考えていくという「利回り」が生まれました。
金融機関においても、バブル時代より続く発想として「不動産の担保」があれば、お金はどんどん貸すという流れがありました。しかし、土地の価値は上がり続けるという信用ノン時代が終わり、2000年代を境として金融機関では「アセットローン」や「ファイナンス」という発想が始まりました。
ですから、不動産ビジネスのことを知っていくうえでは、単純な相場観だけに頼るのではなく、その仕組みや実例を通して考え方を刷新していくことが大切だと私は思います。
詳しくは横山篤司(ANDY)のプロフィールを見てください。
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