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分かりやすい建替え経営学 第一回 不動産経営の甘さを見直せ!

2019.04.16

ライター:横山 篤司

○私の経営体験談

私のビルでは、築40年を超えてより漏水、設備不良、そして大型テナントの退去が度重なりました。

計画なき多額の大規模修繕費に対して、

どこを直し、いくらの費用を掛けるべきかという悩みに、

工事会社は危機を煽るばかりで、資金は減る一方でした。

 

ここで不動産経営者としての重要なことは、

賃貸事業として、どのような入居者を対象とした賃料の再設定を行い、

修繕投資を何年で回収するかという健全な経営ビジョンを立てることでした。

 

そこで、当社では建築顧問を迎え、

エンジニアリングレポートと呼ばれる建物状況調査資料を基に、

毎年の収入に対する修繕計画を立案し、結果として管理会社を巻き込んだビル経営健全に取り組み始めました。

 

○専門家の成果報酬〇%に疑問を感じた

専門家の報酬は一般的に、

事業の資産規模や工事費に対して〇%という成果報酬が一般的であり、

仕事の金額が高ければ高いほど報酬が高くなってしまいます。

 

これでは計画的に少額修繕を行うことや投資対効果を考える余地がありません。

 

そこで、不動産オーナーがエンジニアリングレポートを依頼し、

「1棟1経営」を原則とした不動産の実状を把握することをお勧めします。

 

自分の経営に賛同する専門家だけを信用するのではなく、

外部の第三者評価を得ることが、経営を直視する第一歩です。

 

調査一件あたり50万円以上の費用がかかりますが、

その資料によって修繕費用の見積減額提案だけでなく、

共同所有者や地権者への説明、裁判時の証拠資料にもなります。

 

私の最近の顧問経験では、5年間の計画修繕を立てたことにより、

設備改修や省エネ補助金を事前準備することができました。

 

また、毎年の費用をコントロールし、

税務上経費化される小規模修繕に留めることで節税も年々効果が表れます。

何より緊急修繕への追加費用や経営のストレスからも解放されることが一番喜ばれます。

時には、数年後の建替えを見込んで修繕すべき設備と、撤去する設備を「今から」決める経営判断をしてみましょう。

 

<準備フェーズ 必要経費は現在の年間賃料収入の6カ月~1年分>

①.建物調査
現況の建物状況調査(ER)、耐震調査、土壌調査、将来の修繕費調査、権利関係の調査と整理(所有者が複数いる場合、隣地の関係把握)

2.建物管理
テナント契約確認、定期借家契約への切替え、管理費削減(設備投資、修繕費、水光熱費など)、管理体制の見直し(雇用整理、外部委託へ)

3.経営管理
現在の貯金把握、建替の目安づくり、金融機関との折衝、財務状況把握と債務整理、経営体制の見直し(プロの採用など)

不動産オーナー経営学院REIBS(リーブス)とは

建替え経営学フェーズ別計画資料まとめ

ライター紹介

横山 篤司地主学第一識者/不動産オーナー経営学院代表/執筆者・ライター

地主学第一識者/不動産オーナー経営学院代表/執筆者・ライター/NewYork留学、外資系投資銀行、不動産経験20年/不動産経営を分かりやすく教える事を大切にしてます。これまで日本で10,000人以上のオーナーと話し、不動産学として事例や成功体験を研究。創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。自らも実業家として宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。プロの不動産投資を学び、家業再生にも力を入れ、借金を数年で完済することに成功。現在はビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。

中小企業庁主催「事業承継セミナー2017」モデル企業登壇/JFMA「不動産MBA」研究員/週刊ビル経営「建替え経営学」連載/全国賃貸住宅新聞/月刊不動産流通(宅建協会)ほか。

横山 篤司

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