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シェアハウス運営を徹底解説|シェアハウス投資はやめとけ!?不動産投資失敗に学ぶ運営10のポイント

2021.12.24

ライター:源侑輝

不動産オーナー経営学院の投資オンライン学科で講師をしております源(みなもと)です。 ここでは、シェアハウスに魅力を感じて投資をしてみたい方、またコミュニティスペースやサードプレイスを作りたい方へ、私の経験を基に失敗しないための注意点をまとめて解説していきます。 とはいえ、「シェアハウス投資はやめとけ!」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。 実は、私は「かぼちゃの馬車被害者の会」より依頼を受けて、累積100名以上のシェアハウスオーナーの物件を管理していました。  
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女性向けシェアハウス『かぼちゃの馬車』についての解説はこちらからお読みください。
「かぼちゃの馬車問題」とは何か?シェアハウスの不動産投資とは?
私のシェアハウスの経験をお伝えしますと、私は20代の頃よりシェアハウスに住み、シェアハウスで出会った妻と結婚し、さらにシェアハウスを管理をしてほしいという依頼を受けて300室以上の管理を受託するようになった経験があります。 しっかりと運営すれば利益が残る一方で、シェアハウス投資で失敗する方があとを絶ちません。 そこでシェアハウスに投資したり、運営をはじめたい方へ、スクールの講師として今回はポイントを徹底解説していきますのでどうぞお読みください。  

シェアハウス投資の基礎知識|不動産投資

私がシェアハウスを運営してきた経験を基に、はじめての方にもわかりやすいように事業内容を紹介していきます。  

シェアハウスとは

シェアハウスとは、1つの住居に複数人が共同で暮らすアパートや一軒家などの居住用の物件を指します。 一般的にシェアハウスに住む人は、キッチン、リビング、バスルームなどを共同で使用し、プライベート空間として個室があります。多くのシェアハウスが、元々は学生寮、マンション、民家などの建物をシェアハウスに転用して運営しています。  

シェアハウス事業とは

シェアハウス事業とは、複数の部屋がある一軒家や2LDK以上の居住用物件を小分けし、シェアハウスとして貸し出して家賃を得ることで、収益を上げるビジネスモデルの事です。 シェアハウスの間取りを設計している

シェアハウスにおける3つの主な運営方法

シェアハウスの経営のパターンは主に3つに分かれます。

①自主運営

自分がシェアハウスのオーナーであるとともに、管理者となってシェアハウスを運営する方法です。

②委託運営

自分がシェアハウスのオーナーとなり、管理者を雇ってシェアハウスを運営する方法です。

③サブリース

自分はシェアハウスの投資家となり、オーナー(代行業者等)に管理者の雇用や運営をすべて任せる方法です。たとえばシェアハウスの運営会社が部屋を借り上げ(マスターリース)し、シェアハウスとして利用者に貸し出します。  

シェアハウスの不動産投資の収支計画の考え方

シェアハウスの収支計画について説明をします。 不動産経営にかかる費用

シェアハウスの売上について

シェアハウスの主な4つの売上について説明をします。  

➀家賃売上

入居者から毎月の家賃をいただきます。  

②共益費(または管理費)

入居者から共益費(または管理費)をいただきます。 共益費には、水道、電気、ガス、通信料等が含まれます。 水道光熱費を入居者の数で割る場合もありますが、ほとんどのシェアハウスが共益費名目で10000円〜15000円くらいを徴収します。  

③初期費用

入居者から清掃費用を入居時の敷金として預かります。 退去の際には実際の清掃費を当てて、差し引いた額を返金します。 なお、清掃をオーナーが行う場合であれば売上に計上することも一つです。  

④その他費用

礼金→基本的にはありません。 ・仲介手数料→基本的にはありません。 ・保証会社→少しずつ増えてきています。 ・火災保険→任意加入のところがほとんどです。 上記の保証会社や火災保険は、事業主が代理店登録をしている場合には紹介料として数千円の売上となる場合があります。  

シェアハウスの費用について

シェアハウスの主な8つの費用について説明をします電話やメールなどのライフラインを整える

➀水道光熱費

水道、電気、ガスなど生活にかかる水光熱費です。 たとえば1棟10室ほどの物件であれば、一人あたり6,000~8,000円ぐらいで考えておくと良いです。  

②清掃費

共用部(リビングや洗面所)の清掃にかかる費用です。 最低週1回の清掃(5,000円程度)が必要です。  

③消耗品費

ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ゴミ袋などにかかる費用です。 消耗品が現場で不足しないように補充しましょう。  

④広告掲載費

入居者募集サイトにかかる募集の広告費です。 たとえば入居者募集の際に、募集サイトを通じて入居に関するお問い合わせや申し込みを受けたときに支払う反響課金というかたちで費用を払うのが一般的です。 1件の問い合わせあたり700~1000円程度です。 そのため、1ヶ月に5,000円~10,000円ぐらい見積もっておきましょう。 なお満室時の広告掲載費はかからないのが一般的です。  

⑤交通費

清掃会社や入居候補者が内見した時に対応したスタッフに支払う交通費です。 交通費として、1回あたり1,000円くらい見積もっておきましょう。  

⑥家具家電積立金

家具家電が壊れたときに支払う費用です。 毎月3000円ほどは積み立てておきましょう。  

⑦火災保険

火災保険の加入や更新時に支払う費用です。 入居者の保険に加えて、物品破損、火事や漏水などが起こって家具家電が壊れてしまった場合に備えて対策をしておくために費用を計上しましょう。

⑧インターネット費

固定回線を引いた場合の回線費用です。 個人的には100Mbps以上のものが必須であると考えます。  

シェアハウスの資産にかかる費用について

シェアハウスの資産にかかる費用について解説します。 不動産経営で貯蓄していくお金 ビジネスパターンによって資産にかかる費用が異なります。

①自主運営や委託運営の場合

・固定資産税 ・町内会費 ・建物管理費用(エレベーター点検、貯水槽点検、消防点検など) ・修繕積立金 たとえば壁紙、リビングの床等が結構汚れるため、毎月200円/㎡程度は積み立てておくことをおすすめします。  

②サブリースの場合

・家賃売上に対して10~20%のサブリース費用 ・部屋を借りた場合は2年に一度の更新料 ・保証会社に加入している場合は、保証会社の更新料 ・家具家電の積立金  

(参考)1棟10室高円寺のシェアハウス事例

  1棟10室の東京都杉並区高円寺のシェアハウスの例  

①売上

1室5万×10室=50万円  

②費用

50万円×20%程度で10万円、積立金2万円  

③利益

稼働率が満室の場合、利益は38万円 稼働率が70%の場合、利益は23万円  

④サブリースの場合

もし管理会社に依頼している場合は、15−20%の管理費用が発生するため利益がさらに変わります。 稼働率が満室の場合、利益は28万円、 稼働率が70%の場合、利益は16万円  

シェアハウス不動産投資・運営の失敗事例

次にシェアハウスの失敗事例についてご紹介します。 シェアハウス失敗

投資利回りで判断してしまった

シェアハウス投資は一見、表面利回りが非常に高くなります。 しかし売上が高いが、費用も管理費が非常に高く、利益をきちんと見た上で、実質利回りを計算しないと大変危険です。  

稼働率95%はウソ!?

年間平均稼働率95%は一般賃貸の世界では当たり前かもしれませんが、シェアハウス業界ではほぼ嘘といっても過言ではありません。   この数字は言うなれば最大瞬間風速であると理解してください。   当社が管理をする入居率が安定した物件でも、年間平均稼働率80%台です。 入退去時の家賃未収期間もあるため、稼働率90%までいくとほぼ満室状態といっても良いでしょう。  

平均入居期間は11カ月!?

  シェアハウスの入居者の平均入居期間数は50%の方が11ヶ月というデータがあります。 つまり半分の方が1年以内に退去する、ということになります。 また入居者が退去した部屋が、その翌日からすぐに埋まることは稀です。 よって、シェアハウスでは一定の空室期間を考慮して、確実な収支計画を立てたい方はまず70%稼働で計算してみましょう。  

シェアハウスの業界問題・投資被害|シェアハウスの不動産投資は危険?

次にシェアハウスの業界問題についてご紹介します。  

投資被害!サブリース問題

ご存じの方も多いと思いますが、女性専用シェアハウス『かぼちゃの馬車』のシェアハウス投資被害がありました。 かぼちゃの馬車のロゴ 投資家がシェアハウスを購入し、スマートデイズ社が借り上げるというビジネスモデルでした。借り上げ金額は1室あたり6~7万円ほどでした。   私が持ってるマーケットデータでは、当初より同賃料で35年間続くことは難しいと考えていました。   最初の100棟ぐらいは立地的にも良かった印象ですが、その後に建てた物件の立地はひどいものでした。さらに提携していた派遣会社も離れていったため、入居者の集客モデルが崩れたことも同時に大きい影響を与えるものでした。   スマートデイズの問題は他にも色々とありますが、『サブリースだから安心』という投資商品はかなり慎重に考えた方が良いです。かつそのサブリース会社が他に借り上げて運営している他の物件で収益が上がっているかどうかを、その業者以外の口コミや評判を聞いて見極めることですね。
『かぼちゃの馬車』騒動の本質、サブリースについて徹底解剖しました
 

不正融資・スルガ銀行問題

  不正融資の問題です。   これは不動産投資をする投資家に対して融資をすること自体は問題ではありませんが、その申請方法や審査方法で「裏技」とか「ノウハウ」という言葉が出たら要注意です。   この不正融資問題では、たとえば投資家の銀行口座の中にあるお金がない方に、銀行から数千万円を予め振込し、融資内諾が取れたら、数千万円をまた銀行に戻すことで、一時的に現金が多くあるように見せかけられるものです。審査が通りやすいというエビデンス作りをしたり、給与明細を改ざんするなどのは、不正融資として金消契約の違約事項にあたります。   その結果、投資家によっては銀行借入の一括返済を求められたり、不動産売却後に残債が残って自己破産したケースがたくさんありましたので要注意です。 万が一不動産業者からこのような不正な方法を勧められたとしても絶対に断りましょう。  

コロナなどが原因による経済環境の影響

この数年は新型コロナウイルス感染症拡大により経済環境が大きく変化しました。 コロナ禍では、人との接触を減らすことを意識する方が増えたため、シェアハウスに住む方が減りました   ただし、シェアハウスの需要自体は年々高まっており、シェアハウスを選択肢として家探しをする方が全体の15−20%ほどいるというデータがあります。10年前に比べてスタンダードになったと言えるでしょう。   2020年から2021年にかけてシェアハウスの廃業数が増えました。またコロナ禍で稼働率が下がり、収益が下がったことで廃業するケースもあります。 しかし、廃業数が増えた一方、新規オープンもあり全体としては増加傾向ではあります  

管理会社の問題

管理会社に運営を委託する場合は、シェアハウスに限らずですが、管理会社で入居率や売上が変わると言っても過言ではありません。 シェアハウス失敗 以下の3点は必ずチェックしてください ①管理会社の口コミや評判 Twitterでの検索もおすすめです。悪い口コミが書いてあったとしてもスタッフがコメント等で対応している場合は大丈夫でしょう。 ②掲載サイト数 掲載サイト数の目安は4サイト以上です。できれば5−7サイトあれば尚良いと判断できます。 ③仲介業務や賃貸管理の知識 宅地建物取引士、不動産賃貸経営管理士、このあたりの専門家が1名でもいるかどうかがポイントになります。実務としてはあまり使わないのですが、シェアハウスは入居者管理のウェイトが多く、時には強制退去の動きも必要となります。強制退去の手続きを法的にも抑えて進められかがポイントです。  

小規模施設は厳しい

総合的な考え方ですが、稼働率の問題、コロナリスク、管理会社のコスト等を考えていくと10名未満の定員の物件の場合は収益性が悪いということです。   シェアハウスでは募集時と退去時に多くの費用がかかります。一般の賃貸物件よりも収益性が1.5倍以上でるような計画が出せれば、チャレンジして見る価値があるでしょう。  

勝てる不動産投資・運営は?良いシェアハウスの条件

ここでは100物件以上を見てきたうえでの良いシェアハウスの条件について紹介します。  

入居者のニーズに合致している

  重要なのは、立地、広さ、値段と一般的には言われていますが、 シェアハウスでは”入居者と管理者(オーナー等)の関係値”が同じぐらい重要です。 以下を列記しますと、
・入居者との関係値を良くするような施策実施 ・価格は5−7万円 ・4畳半7.45㎡の物件も多いのですが広さは8−10㎡必要 ・共用部が広い ・コイン式ではない乾燥機がある ・浴槽がある ・洗面台がある ・洗濯物干しが各部屋にある ・電子錠がある ・宅配ボックスが大きい ・自転車置場がある
などシェアハウス入居者のニーズを抑えることこそが重要であると言えます。   稼働率60%でも維持可能   稼働率60%でもキャッシュフローが耐えうるような収支計画をすることが大切です。認知度が高まることで稼働率が高まっていきますので最初は辛抱も必要です。  

まとめ

シェアハウスの運営者は実際にシェアハウスに住んだことが無い人がほとんどです。 シェアハウスで集まって食事をしている 実は私はシェアハウスが大好きで、シェアハウスで妻と出会い、結婚後も子供が出来るまではシェアハウスに暮らしていました。どんなシェアハウスが良いかは、身をもって体験し、当事者として今回は解説をさせて頂きました。     ======================================== 不動産投資は空室を埋める方法など 「経営」を知っている人が勝ちます。 勝ち続けると資産形成のサイクルを簡単に作れます。 現在、不動産投資の入門者向けの講座の60分無料オンライン体験を実施しています。 不動産投資で資産を作りたい方におすすめ! 👇こちらから LP導入画像   ================================= 不動産による資産運用に役立つ情報をLINE友達限定で配信しています。 LINE公式 アカウント × REIBS 登録バナー    

ライター紹介

源侑輝

2012年株式会社Livmo創業
2017年(一社)日本民泊適正推進機構 常務理事
2018年 全国民泊同業組合連合会 理事

地元北海道の地域活性を行うため、一次産業ベンチャーを大学生時代に起業。
その際に、地域の空スペースを利活用するビジネスに着目。これからの不動産賃貸は、オンラインで簡単に暮らしを手に入れる時代になると考え、大きな部屋を1室から貸し出す”シェアハウス”や1日単位で貸し出す”民泊”を2012年から行う。住宅のハードとソフトのリノベーションを企画し、オペレーションまで行うことで不動産の価値を上げていく事業を行なっている。不動産業界の無駄をテクノロジーで解決していく。

源侑輝

不動産オーナー経営学院リーブス REIBS|不動産を所有してから学ぶ、不動産オーナーのための経営学院|基礎から学び、成果に結び付けるカリキュラム|2013年創業

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